島根大学医学部(島根県出雲市)は、解剖学実習のための献体を不適切に扱っていた元職員に対して、3月15日付で停職3か月の懲戒処分相当としたと、20日発表しました。

3月15日付で停職3か月の懲戒処分相当とされたのは、島根大学医学部に勤務していた30代の元技術専門職員です。

医学部は去年、解剖学実習のための50人の献体について、適切な保存処置が行われていなかったことを公表。

外部の調査委員会がまとめた報告書によると、献体の中には、ストレッチャーの上に積み重ねられていたものもあったほか、保存のための冷蔵庫が清掃されず、使用できない状態の献体もあったとしています。

当時、献体の保管作業は、今回処分を受けた元職員が1人で担当していました。

元職員は去年10月に退職していますが、医学部は、在職中に行った行為は職員就業規則に違反すると判断し、懲戒処分相当としました。

またこれと合わせて、管理監督者である医学部長に対して戒告処分、医学部教授に対して減給処分を行いました。

島根大学の服部泰直学長は「特に医学の教育と研究のために崇高な篤志の上にご献体をいただいた皆様、ご遺族の皆様、有終会会員の皆様の信頼を損なう極めて重大な事態であり、改めて深くお詫びを申し上げます。」

「全学を挙げて再発防止に取り組むとともに、本学に対する信頼の回復に努めてまいります。」とコメントしています。