8日、島根県大田市にある世界遺産「石見銀山」遺跡にある、木製の柵が壊れ、もたれかかっていた観光客が下の川に転落し死亡しました。警察では、市による柵の管理に問題がなかったか調べています。
観光ガイド
「こういう所が何か所もあります…この奥にもあります。なかなか行政も対応が難しい。予算に順番があるようで…」
観光ガイドが指さす先にあるのは、事故のあった木製の柵です。
8日午後3時40分頃、島根県大田市大森町の世界遺産「石見銀山」を散策していた愛知県北名古屋市の女性(68)が、この柵にもたれかかったところ突然壊れ、4メートル下の河原に転落しました。

女性は病院に搬送されましたが、3時間後に死亡が確認されました。
女性は、団体ツアーで「石見銀山」観光で訪れていて事故に遭いました。
入江直樹 記者
「現場は立派な石組みの古い橋があり、観光客には人気の写真スポットでした」
現場は銀山川にかかる「羅漢町橋」のたもとで、女性が高さ1メートル、幅3メートルほどあった木製の柵にもたれかかったところ、3本ある支柱の内2本が突然折れ、女性はバランスを崩して転落したということです。
女性が転落したとみられる場所には今朝、白い花が手向けてありました。

柵は大田市が2010年に設置していて、管理する大田市土木課によると、おととし、木材に腐食が確認されたため、コーンを置いて近付かないよう注意喚起していました。
来年度、金属製の柵を新たに造る計画だったということです。
柵を設置・管理していた大田市 土木課長
「文字での注意喚起はありませんでした。もっと早く更新できていれば…申し訳ないと思います」
大田市の楫野弘和市長は
「市道付近における転落事故において、お亡くなりになられました方のご冥福をお祈りいたしますとともに、ご遺族に対しまして心からお悔やみ申し上げます。今後につきましては、ご遺族に対して誠意をもって対応いたしますとともに、改めて市内の関連する公共施設の緊急点検を行い、必要な修繕等についてもできる限り早期に対応してまいります。」
とコメントを発表しています。

警察は、業務上過失致死の疑いも視野に、市による柵の管理に問題がなかったかなど慎重に捜査を進めています。