「こいのぼり」のシーズンですが、用水路で「たくさんのコイが泳いでいる」と視聴者から情報が寄せられました。
浅瀬でもがくコイたち。その理由は…
その映像を見ると、50センチ以上はあろうかという立派なコイが、用水路の浅瀬で5匹ほど群れをなして泳いでいました。
競い合って浅瀬で、もがいているようにも見えます。
映像が撮影されたのは、鳥取県境港市の市民体育館近くを流れる用水路。
撮影したのは市内に住む高田博文さんです。
コイを撮影した高田博文さん
「鳥でも落ちておぼれているのかと思った。近付いていくと、コイが群がってバシャバシャしていたので、すごいなと思って、しかもコイもかなり大きかった」
取材したこの日も用水路には数匹の大きなコイがいましたが、大量に群れたり、浅瀬でもがいたりする様子は観察できませんでした。
近くに住む人は、コイが群れる光景には驚いたと言います。
コイの群れを目撃した人
「すごかった。小さいのから大きいのから。みんな上流の方から下がってきていた。こんなのは初めてです」
「コイをめぐる異変」は、これまでもありました。
鳥取市では2013年6月、湖山池の近くを流れる川で、コイが大量にひしめき合う異常な光景が広がり、その様子を一目見ようと多くの見物人が訪れました。
そして今回も似たような時期です。
一体コイは群れて何をしているのか、専門家に話を聞いてみると…
鳥取県水産試験場 底魚資源室 太田武行 室長
「コイの産卵行動だと思います。藻や陸上の植生に対して、まず大きい個体が乗り上げるようにして尾を振りながら、卵を産んでいる様子だと判断できます」
毎年4月から7月はコイの産卵期だということで、コイが生息している川や用水路では、まれにこういった光景が見られるとのこと。
もがいていたのは、ちょうど卵を産んでいるところだったのかもしれません。
鳥取県水産試験場 底魚資源室 太田武行 室長
「雨というのが一つの刺激になります。今回は4月26日(火)に境港市でかなり雨が降ったので、それが刺激になって産卵行動に移ったのではないかと思います。コイの恋の季節なので、あまり邪魔をされずに静観していただければと思います」
コイにとっては恋の季節。
コイの恋路は邪魔をせずに、そっと観察するのが良さそうです。