去年、鳥取県米子市にオープンしたそば店。オーナーの男性は少し変わった経歴の持ち主なんです。
燃え上がるそば愛を抑えきれず、そば職人に転身したというこの男性。つくるそばもインパクト大です!
去年12月、米子市にオープンした「出雲そば 鹿幸(ろっこう)」。
まずは出雲そばでは定番「割子そば」をいただくことに。
キャスター 薄井靖代
「おいしいです。皮ごと挽いているので香りも高くて食べ応えもあるので、出雲そばの良さしっかり感じられます」
そばを打つのは高橋正武さん52歳。
実は高橋さんの前の職業は消防士。島根県安来市で25年間、町の安全を守ってきました。
それがなぜそば職人に?
出雲そば 鹿幸 高橋正武さん
「(災害など)人々に突如訪れる窮地の場面で尽力してきたんですけど、日々の生活の中でも人々に貢献できることがあるかなと思いまして」
もともと、そばに興味があったこともあり、48歳の時に早期退職。
翌年、島根県奥出雲町の老舗そば店で出雲そばの修行をはじめました。
そして、今の店を出すことになったのはちょっとしたきっかけが。
出雲そば 鹿幸 高橋正武さん
「毎日通っておられるほぼ主のような熱烈なファンだったんですけども、このお客さんが私の叔父でして口説き落とされた」
店を出した場所にはもともと「盛屋」という35年以上続くそば店がありました。
大将が引退を考え始めたころ、味が途絶えることを惜しんだ常連客の叔父が、修行中だった高橋さんに声をかけたのです。
結果、ここに店を出すことを決めた高橋さん。
「盛屋」のそばの味も残すため、江戸流の盛屋のそばのつくり方を大将から受け継ぎました。
店では盛屋のそばも数量限定で提供しています。
しかし、やはり味わって欲しいのは出雲そば。
そんな高橋さんのイチオシメニューは、大きな湯葉がそばを包み込み、まるでオムライスのような「ゆばそば」です。
キャスター 薄井靖代
「みずみずしいんですが、まろやかな湯葉としっかりコシのあるお蕎麦相性抜群ですね」
出雲そば 鹿幸 高橋正武さん
「出雲そばのエース割子そばをもっと親しんで愛してもらえるように、そんな店にしていきたいと思っています」
前の店の味を受け継ぎつつも出雲そばの魅力を伝えたい。
元消防士でもそばへの愛の炎は消せないようです。