JAしまねは24日、農家に支払う今年のコメの概算金を発表しました。去年、31年ぶりに2万円代に引き上げ過去最高額となったJAしまねのコメの概算金。今年は全国的に、"コメ余り"となっている中、JAが下した判断は?

JAしまね 竹下克美 組合長
「まさしく断腸の思いでの概算金の決定となったところでございます。60キロあたり税込で1万6000円を設定させていただきます」

JAしまねは午前に開いた理事会でコメ農家に前払いする今年の概算金の額を決定しました。

その額は、コシヒカリが1万6000円、きぬむすめが1万5800円、つや姫は1万6600円となり、いずれも、去年と比べて1万2000円以上の過去最大の下げ幅です。

去年、令和の米騒動によるコメ不足などを背景に過去最高額となった概算金ですが、一転、今年は4割の引き下げで国が算出した生産コストの金額も下回る苦渋の決断となりました。

概算金の値下がりは全国的な傾向となっていますが、その背景にあるのが備蓄米の放出や米価高騰に伴う"コメ余り"です。

JAしまね 竹下克美 組合長
「いまだふんだんにあります令和7年産米をどうさばくか、このことに傾注し、とても令和8年産の価格折衝をする余裕はないのが現状でありました」

大幅下落となった今年の概算金にコメ農家は。

なべやまらいす 石原公夫 代表取締役
「あ~、1万6000円。すごい、びっくりしました」

雲南市で、コシヒカリやきぬむすめなど7.6ヘクタールの水田でコメを栽培する石原さん。この辺りでは概算金決定前の先週末から、すでにコシヒカリの稲刈りが始まっています。

なべやまらいす 石原公夫 代表取締役
「ここまで下がるかという気持ち。これが今、お米に対する価格というか、価値なのかなと思っている」

2年前の令和の米騒動をきっかけとした消費者のコメ離れ。そんな中、政府による備蓄米の放出などにより、一転、コメは市場で余る状況に。売る人、買う人、育てる人にとって適正な価格を実現する「フェアプライスプロジェクト」を国が進める中での今年の概算金。農家は国のコメ政策自体にも不安を感じています。

なべやまらいす 石原公夫 代表取締役
「どういった経緯でこの値段になったかというところを本当にしっかり説明していただいて、そして、政府には、(市場にコメを)ジャブジャブにしたおかげでこうなっているのを本当に分かっていただいて、これからの見通しでいいので、出して欲しいと思っている」

JAしまねの竹下組合長も24日の会見で国への不信感を吐露しました。

JAしまね 竹下克美 組合長
「生産量が足りませんでした、それじゃあ増産しましょう、備蓄米を放出しましょう、そう言っておいて今度はコメがコメが大幅に余った。大きなファクターを作っているんですよね、政府といいうのは。それでいて後は知りませんでは、国としての責務を果たしているのだろうか。端的に言いまして失望感、不信感」

JAしまねは、概算金の決定で新米の販売価格は5キロ3000円前後で推移するとみていますが、農家の離農などコメ生産に影を落としかねない概算金の値下がり。将来を見据えたコメ政策の立て直しが求められます。