長年手つかずの山で、一から道を作りながら林業に取り組む一人の男性が、島根県松江市にいます。
「小さな林業」とも呼ばれ、将来、資源となる木を残しつつ伐採を行う「自伐型林業」を行い、持続可能な山の姿を目指す男性の取り組みを取材しました。

空間にゆったりと広がる温もりが癒やしを与える、薪ストーブの炎。

「薪ストーブは、シーズン的には一番忙しい時期ですね。」

こう話すのは、松江市宍道町出身で薪ストーブの販売やメンテナスを行う会社の代表を務める福間徹さんです。
福間さんはいま、長年の夢でもあったある事業を手がけています。

やおら林業舎 福間徹さん
「自伐型林業という森づくりをしながら成り立つ林業。」「きれいな山を作っている人たちを見させてもらい、自分もいつか森づくりをしたいなと。」

自伐型林業。
山の木を一度に全て切るのではなく、木を間引く「間伐」を長期に渡って繰り返す林業です。
中山間地では、I・Uターン者の呼び水としても注目されています。

自伐型林業推進協会講師 岡橋清隆さん
「自伐型林業の特徴は、出来るだけ皆伐をしない。大きくなった木を伐っていって細い木は残していく。植え付けの負担をなくして山を整備していく(方法)。」

自伐型林業に興味を持った福間さんは、長年手つかずだった8へクタールの山を借り受け、2021年から念願の森づくりをスタートしました。

やおら林業舎 福間徹さん
「道を付ける部分は、木を全部根っこから抜いて整地する。」「失敗だらけでした。段々上手にはなるが、誰か教えてくれるわけでもないので、自分でやりながら。」

重機の扱いは全くの素人…
苦労がありつつも、林業の魅力にのめり込んでいきました。

やおら林業舎 福間徹さん
「楽しいですよ。最高に楽しいですよ。」「昼も食べず水も飲まずにずっとやっていられる。道がどんどん作っていくとそれくらい楽しい。」

間伐した木を運搬するため、1年かけて、ほぼ1人で400メートルの道を作りました。

やおら林業舎 福間徹さん
「山に道が出来て嬉しい人もいるし、今後何かに使うことが出来る。」「木が大きくなったものから間伐して、また次の木が大きくなって、循環していく。」