玄関扉を壊す。部屋の壁をぶち抜く。解体が予定されている実際の建物を使ったより実践的な救助訓練が4日、島根県松江市でありました。

消防署員がエンジンカッターでアパートの玄関扉を容赦なく壊して穴を開けました。
松江市南消防署がおこなった訓練で使われたのは、5日に解体予定の築20年以上のアパートです。

これは不動産業大手の大東建託が、地域の防災力の向上に役立ててもらおうと、解体予定の建物を全国の消防署に訓練用に提供しているもので、山陰では今回が初めてです。

訓練ではこのほか、破壊器具で玄関ドアをこじあけたり、ベランダにハシゴをかけて2階に取り残された人を救助するなど、実際のアパートだからこそできるより実践的な内容となりました。

松江市南消防署 小林義明 警防係長
「実際の建物を使って訓練することがなかなか無いので、大東建託さんからこのような機会をいただいて大変有意義だった。実際にドア破壊をやることはできませんし」
「実際の建物を切ったりすることも無いので非常に有意義な訓練だったと思います」

大東建託松江支店 二瀬正さん
「当グループでは地域の貢献のためということで色々な防災活動をしているのですが、地域の防災力強化という活動の一環で、今回の解体予定の建物をこうした形で消防の方に提供しました」

訓練ではこのほか地域住民のAED講習会もおこなわれました。大東建託では今後も、こうした活動を他の地区でも展開したいとしています。