警察署の敷地内にある小さな建物に案内されると、そこにあったのはネズミ色の大きなビニール袋。
一部分に白い布がかけられていました。
「刑事さんがその布を取りました。その瞬間まで、どうか別の人であってと祈っていました。
でもそこには別の人ではなく、歩がいました。
顔の色が紫色になって、そこで眠っていました」

中谷さんは必死に呼びかけました。
「歩ちゃん、起きにゃ。歩ちゃん、早く起きて。もう起きる時間なんよ」
しかし、歩さんは目を覚ましませんでした。
「首から下はビニールに入っているから、抱き抱えることも手を触ることもできなくて、ただただほっぺたを触りました。柔らかかった。
その柔らかかった感触、今でも忘れたくなくて、自分の足とかをこう触ってみて『ああ、こんな感じだったよね』と、その時の感触を取り戻そうとします」

なぜ娘は変わり果てた姿になってしまったのか…
警察による捜査が始まりました。
【後編】へ続く。















