仏壇やお寺など、仏様へのお供えとして使われる「お香」。
しかし今、その香りに魅了され、特に若い世代でブームとなっています。
お香にハマるその理由とは…。
そして、このブーム、お寺側はどう思っているのでしょうか?


島根県松江市にあるセレクトショップ「FLAVOR」。
おしゃれなファッションアイテムがズラリと並び、若い世代を中心に人気を集めています。

そして今、ファッションとは異なるある商品が人気だと言います。

FLAVOR 法華麻未さん
「こちら、お香です」

そう、「お香」です。
服の種類も豊富ですが、それに負けず劣らずのラインナップ!

実は今、若い世代を中心に、お香がブームになっているとのこと。

FLAVOR 法華麻未さん
「ここ3年くらいはすごい若者に火がついたようなブームがあります。お部屋をコーディネートする方が増えていて、それも若者を中心に増えてきているなというのがあります」

この店では、20年以上前からお香を取り扱っていますが、近年その人気が急上昇!

和を感じさせる心地よい香りの魅力にとりつかれる人が多く、コロナ禍でおうち時間が増えたこともあり、買い求める客が増えていると言います。

FLAVOR 法華麻未さん
「お香の魅力は、その日によっての気分で種類もいっぱいあるので、匂いを変えられたり、部屋の雰囲気も変わるって意味ではすごくオススメです」

このお香ブーム。
お寺側はどうみているのでしょうか?

浄土宗 迎接院 伊藤信道住職
「最近、若い方が香を楽しまれるのは非常にいいことだなと思います」

米子市にあるお寺「迎接院」。
お香は、毎日のお勤めに欠かせません。

浄土宗 迎接院 伊藤信道住職
「1つ目は仏様を迎え送ること。2つ目は仏様や亡き人を供養するため、3つ目は香をたくことによって心や体を清めるという、その3つの目的で行っている」

仏教の世界では、お香をたくというのはお供えの1つです。

しかし今、若い世代は、香りを楽しむ目的でお香を購入しています。

浄土宗 迎接院 伊藤信道住職
「平安時代には貴族、鎌倉室町では武士の間にも香文化が広まっていった。江戸時代になったら、商人だとか庶民の間でも、線香を使ってなんてことがちょっとずつ広まっていったと言われます」

香りを楽しむ目的でお香がブームとなるのは、いつの時代でもあったようです。

令和の若者に訪れた空前のお香ブーム。
どこか懐かしい香りを楽しみながら、ゆったり過ごすのもいいかもしれません。