鳥取県鳥取市内の医療機関で9月30日、A型肝炎が発生しました。県内での発生は3年ぶりとなります。

A型肝炎と診断されたのは、鳥取市に住む20代の男性です。男性は、8月26日から30日の間インドに滞在。約1か月後の9月24日、発熱と倦怠感があり、26日医療機関を受診したところ30日、A型肝炎と診断されました。鳥取市保健所は感染源やほかの有症者の有無などについて調査を行っています。

A型肝炎は、A型肝炎ウイルスの感染によって発症し、感染してから2~6週間の潜伏期間を経て、発熱、全身倦怠感、食欲不振、黄疸、肝腫大など、一過性の急性肝炎を引き起こします。特定の治療法はなく、対症療法が中心となっています。

今年の全国の発生状況は、9月15日時点で107人と、昨年の56人、一昨年の69人と比べ非常に多くなっています。鳥取市保健所によると、新型コロナウイルスによる渡航制限の緩和で海外への渡航が増えたことも要因の1つではないかということです。

鳥取市保健所は、便を介して感染することもあるため食事前、おむつ交換など便の処理後には手を洗うこと、魚介類は生食用か加熱用かを確認し、加熱用の場合は食品の中心温度85度以上で1分以上加熱すること、渡航先では生水、氷入りの飲み物、加熱していない食べ物に注意することなど注意を呼び掛けています。