『カメラマンが魅せられた風景』


新潟市の中心部にある鳥屋野潟。市民の憩いの場であるとともに、豊かな自然が広がるこの場所で、昔ながらの漁を今も続ける1人の男性がいます。

かつての鳥屋野潟には『潟の漁師』がいて、魚を取って暮らす文化が根付いていたといいます。

【鳥屋野潟漁業協同組合 増井勝弘組合長】
「船の縁をたたきながら、魚を脅かして、網の所に誘導して取っています。刺し網は広い所に網を張る、魚を追い込んで捕まえる」

昭和30年代には、およそ300人の漁師がいたそうです。

【鳥屋野潟漁業協同組合 増井勝弘組合長】
「昭和40年前半から潟が汚れ始めて、魚が売れなくなってみんな漁をやめる」

一時は家庭からの排水などで環境汚染が深刻でした。

【鳥屋野潟漁業協同組合 増井勝弘組合長】
「子どもたちが一生懸命にごみを拾ってくれるので、だいぶ助かっています。皆さんに協力していただいたおかげで、きれいに水面が保っている」

下水整備や地域住民の清掃活動によって、再び美しさを取り戻した鳥屋野潟。湖面を覆う水草・アサザの下は魚の住処になっているそうです。

【鳥屋野潟漁業協同組合 増井勝弘組合長】
「投網はピンポイントで。やっぱり魚のいる場所を知っている人はいっぱい取れます。魚がいっぱいいる場所を狙ってピンポイントで取る。一番技術のいる取り方」

この日はフナやヘラブナ20匹ほどが取れました。

近年では鳥屋野潟の魚を食すイベントも開かれているそうで、増井さんは潟の文化を次の世代につなげたいとしています。

【鳥屋野潟漁業協同組合 増井勝弘組合長】
「市民の方が鳥屋野潟に親しんでくれるのが我々の一番の願い。皆さんが来て、魚釣りしたりボートに乗ったりして、楽しんでいただければいいなと思っています」