将棋の八大タイトルの一つ『棋王戦』五番勝負の第3局が、1日に新潟市の新潟グランドホテルで行われ、藤井聡太棋王の登場に老若男女の将棋ファンが盛り上がり、新潟が誇る果物を使った“勝負おやつ”にも注目が集まりました。

藤井聡太棋王に挑むのは、初タイトルを目指す増田康宏八段。
2年連続となる顔合わせで、2025年は藤井棋王が3連勝で3連覇を果たしました。

対局前日の前夜祭で増田八段は、前回の記憶についてこう振り返りました。

「私は新潟県は昨年に引き続き2回目なんですけど、昨年は2連敗でかなり追い込まれた状態で来てしまったので、記憶が途切れ途切れになってしまった」
「今年はタイで来られて嬉しいです」

一方の藤井棋王は「信濃川の力を借りたい」と穏やかな口調で語りました。

「明日の対局は非常に大きな一局かなと」
「緊張感もありますけど、信濃川の流れを見て気持ちを落ち着かせて、明日は程よい緊張感で臨めればなと思っています」

今回の『棋王戦』はここまで互いに1勝1敗。新潟で勝った方がタイトルに“王手”をかけることになりますが、2人は直筆色紙の抽選会などで将棋ファンとの交流を図り、翌日の名勝負を誓いあいました。

当日の大盤解説会には、「藤井さんと対局してみたい」という小学4年生や広島からやって来たというファンなど、会場に溢れんばかりの人が集まって勝負の行く末を見守っていました。

【2年連続で参加したファン】
「増田先生を応援しています。去年が“千日手”で最後まで見られなかったので、今回こそは最後まで見れたらいいな」

会場に駆け付けたファンは、“おやつ”のショーケース前でも頭を悩ませています。

「増田八段が召し上がったのと、藤井棋王が召し上がったのが気になっていて…」
「迷ってます」
「両方食べたいです」

毎回話題になる“勝負おやつ”として午前10時に両棋士が頼んだものは、新潟県特産のイチゴ・越後姫を使ったスイーツ。
今回、藤井聡太棋王が『苺のチーズケーキ』で、増田康宏八段が『苺のパリブレスト』でした。

ホテルのカフェでは、藤井棋王が食べた『苺のチーズケーキ』に注文が殺到したそうです。

「藤井棋王が午前中に頼まれたものを食べたいなと思って」
「応援する気持ちと共に食べました」
「すごく濃厚で美味しかった」
「同じものを食べて少しでも藤井棋王の気持ちを分かればいいかなと」
「3階の大盤解説会場に行ったら『予約制だ』って言われてガクッと来たんだけど、一緒のケーキを食べて満足しました」

この日用意された40個は午後4時過ぎに完売。
いつもの倍以上の売れ行きだったということです。

『棋王戦』第3局が終局を迎えたのは、開始からおよそ10時間が経過した午後7時過ぎ。122手が差されたところで藤井棋王が投了。増田八段が、初タイトルに“王手”をかけました。

【増田康宏八段】
「2勝できたのがすごくアドバンテージはあると思うので、次も全力を尽くして頑張りたい」
【藤井聡太棋王】
「終盤の一番大事なところでやってはいけないミスが出てしまったので、こういうことがないようにしなくてはいけないなと」

感想戦でこのように対局を振り返った2人の第4局は、15日に栃木県日光市で行われる予定です。