【朗読劇『あの日の記憶』より】
「…私は消防団員でした。堤防を守ろうと土のうを積み上げていました。突然襲った濁流の前に、なすすべもなく、駆け上がった高台から、激しい流れをただ見つめていました。その時です。子どもを抱いていた若い女の人が、流木につかまって波の間に…」

「助けて!」
「私と目が合うと、彼女は叫びました」
「お願いします、この子だけは助けて!この子だけは!お願い!」
「…何もできませんでした。あっという間に流されて、茶色い水の中に消えていきました」
さらに舞台には、地元の小・中・高校生たちも登壇。当時の子どもたちの手記を元にした朗読を披露しました。

「濁った水がごうごうと家の床下へ流れ込んできた」
「私は心配で寝ないでいた」
当時の子どもたちの恐怖を、現代の子どもたちが震える声で演じる姿を、観客は真剣な眼差しで見つめていました。










