BSNゆうなびのシリーズ、「カメラマンが魅せられた風景」です。
今回の舞台はこちら、日本百名山にも選ばれている越後駒ケ岳(えちごこまがたけ)。山の上で泊まらなければ出会うことができない、大自然が織りなす風景をカメラに収めました。

朝4時半。魚沼市の枝折峠(しおりとうげ)です。

「この雲が取れれば見られると思うあっ、ちょっと出てきました?」

気象条件のそろった早朝、運が良ければ見ることができる美しい景色があるんです。滝雲です。奥只見湖で発生した霧が雲海となり、山の稜線を越え滝のように流れ落ちます。

【東京から】「久しぶりの晴れの週末で滝雲を期待して。登山口からすごい近くて登った瞬間こんな景色が見られるのがとても良い」

今回目指すのは八海山、中ノ岳とともに越後三山の一つとして知られる標高2003メートルの越後駒ケ岳。

一般的なコースでも片道およそ7.5キロ。かなりのロングルートです。登山ガイドや小屋番をしている星さんと山頂を目指します

【魚沼自然大学 星義廣さん】「4時間半から5時間あればほとんどの方が小屋までは上がれる。山小屋からは20分ほどで山頂へ行ける。(ロングコースに)躊躇しないでおいでいただきたい」

登山道には階段や木道も整備され危険な箇所はほとんどありません。この日、草刈りをしてたのは去年まで小屋番をしていた小熊さん。

【魚沼自然大学 小熊敏一さん】「かなり急斜面をこれを持って登らなくてはいけない。非常にきつい。一年でも(草刈りを)やめるとかなり酷くなる。色々な花が咲く。大事な花は残してお客さんに見て頂きたい」

このルートはほとんどが見晴らしの良い尾根歩き。日本百名山にも選ばれていて、人気の高い越後駒ヶ岳。県外からも沢山の登山者が訪れていました。

【東京から】「距離が長いので皆は日帰りで行っちゃうみたいだけど僕たちは上で泊まります」

【福岡から】「福岡からです。楽しみです。福岡から来たから絶対登らなきゃと思って」

【魚沼自然大学 星義廣さん】背伸びしてみてください。百草の池です。長い年月をかけて作られた貴重な自然池塘。

【魚沼自然大学 星義廣さん】「(その昔)皆が中に入って踏み荒らし、池塘の水がみんな抜けてしまった。今は立入禁止になっている。やっとここまで半世紀かけて復元出来てきた遠くから眺めて安らいでいただきたい」

最近になってやっと自然が戻ってきた百草の池。ドローンで撮影しました。ここからが本番。この先は一時間ほど岩場が続きます。

「あれは荒沢岳この間ちょうど登ってきた」

キツイのでは?
「キツかったです。岩登りがすごくて。こっちに登ってあれが見えるのは嬉しい“あれ登ったんだな”」

まだ雪が残っていました。
「ここは雪渓があって下からの風がすごく気持ちいい涼しい癒されますね」

枝折峠から歩くこと5時間。岩場を登った先に山小屋が見えてきました。標高およそ1900メートルに建つ避難小屋・駒の小屋です。

「途中ガスがかかったんですが青空も見えてすごく気持ち良かった気持ちいい。冷たくて気持ちいいですね」暑くて大変でしたかなりムシムシしたが稜線に出ると涼しくなって苦しさからだんだん達成感に変わってきた疲れました俺も疲れた」あともうちょっとなので山頂まで頑張ります」

山頂まではゆっくり歩いて30分ほど。群生している黄色い花はキンコウカです。

「(今年は)雪消えが遅かった。雪渓の消えたところから順番に花が咲いてくる。緑と黄色見ごたえありますね」

雪解けの遅い山頂付近ではまだ春の花が楽しめます。標高2003メートル、越後駒ケ岳山頂です。

【名古屋から】「良かったです。来たかいがありました。6時間位かけて登ったんですごいキツかったです」

おいしそうですね?
「ただのコンビニの梅おにぎりとみそ汁なんですが山頂で食べると100倍うまいです」

地元では“はなこさん”と呼ばれている。“は”は八海山。“な”は中ノ岳。“こ”は駒ヶ岳。地元の人は“はなこさん”と呼び親しんでいる地域に密着した山。

今夜は駒の小屋に泊まります。

【京都と東京から】「これから食事して天気次第でもう一度(山頂へ)登りなおしていつ雲が切れるかわからない(絶景を)楽しみにしながらゆっくりと」

食料や寝袋が必須な避難小屋ですが、きれいに整備されていておがくずを使ったバイオトイレはピカピカです。

【魚沼自然大学 佐藤敏彦さん】「一回一回,、攪拌しながら汲み取るこの日小屋番佐藤さん。バイオトイレのおかげで自然に返すことなく地元へヘリで持って行ける。
山へ来た人が快適に過ごせるようにやっています」

居心地のいい山小屋にはこんなお客様も。夕方もう一度山頂へ…。雲海に浮かぶ霊峰八海山そのとなりに中ノ岳。

【魚沼自然大学 佐藤敏彦さん】「山に登ってこないと見えない景色がある。一泊泊まると山は全然違う。いろんな顔をしてくれる」

翌朝4時半朝日が昇ります。

【和歌山から】「ご来光っていいですねありがたくって。太陽のパワーいっぱい頂いて、いい一日になります」



【魚沼自然大学 星義廣さん】「雲海がきれいですね。盆地の所に湖の上なんですね。日の出夕日日常下では見られない景色が見られる。そういうのも楽しみながら来ていただけたら嬉しい」