全国で集団食中毒が発生した青森県八戸市の「吉田屋」が製造した弁当。これまで岩手県の業者が炊いた米を使っていたことがわかっていますが、具材の一部も県外から取り寄せていたことが新たにわかりました。患者は28日の発表から8人増え、497人に拡大しています。
八戸市保健所職員は
Q.(調査の)今後の目標は?
「それは申し上げられないので。ご不明な点がありましたら…」

29日午後1時過ぎ、吉田屋に入った保健所職員は記者の問いに明確には答えませんでした。全国で拡大が続く吉田屋の弁当による食中毒。八戸市保健所のまとめでは、28日時点で長野県が加わり29都道府県で497人の患者が確認されています。また、原因となった弁当も21種類に増えました。
保健所では数度にわたり吉田屋の立ち入り調査を行っていますが工場内から原因菌は検出されておらず、炊いた米を納入した岩手県の業者の施設内やサンプルとして保管していた米からも検出はなかったとしています。

こうしたなか青森テレビの取材で具材の一部も県外から納入されていたことが新たにわかりました。保健所は吉田屋が製造した弁当59種類に使われた全ての具材の把握を進めているものの、吉田屋は県内外から納入された具材を八戸市の工場で盛り付け、陸路や空路で全国に運んでいたため、原因が判明するまでには相当な時間を要すると見ています。

大きな波紋を呼んでいる吉田屋の弁当による集団食中毒。6歳の息子とともに弁当を食べて発症した宮城県の女性は「地獄のような日々」だったとしたうえで吉田屋の社長の会見による謝罪を求めています。
弁当を食べた30代女性
「吐き気と下痢の繰り返しでその日は一睡もできなかったです。30分おきですね大体。」

9月16日、宮城県仙台市に住む30代の女性が購入した吉田屋の弁当。女性は、この弁当を6歳の息子と一緒に食べると、その2時間半後に激しい嘔吐や下痢に襲われ病院に運ばれました。診断書に書かれていたのは『食中毒の疑い』。これはその後、確定しました。息子は症状が重く2日間入院。女性は治療を受けたあと自宅療養となりましたが当初食事がのどを通らなかったといいます。

弁当を食べた30代女性
「すぐえずいてしまう。『ウッ』と。トラウマになっているので今でも、その日のことが」
女性が吉田屋の弁当を購入してから29日で約2週間。その間、吉田屋の社長が会見を開いて謝罪や経緯を説明していなことに女性は憤りを隠せません。
弁当を食べた30代女性
「やっぱりそこは社長さん本人が早く会見すべきなんじゃないかなと思っています。まずは謝罪ですね。一番欲しい言葉は。謝罪とちゃんとした原因を知りたい。初めて食中毒になって地獄のような日々を過ごしたので、今後このようなことを一切起こさないでほしいです」

八戸市保健所は吉田屋に立ち入り調査をしていますが、まだ女性が求める原因究明や吉田屋の対応は進んでおらず女性は不信感を募らせています。
