津軽半島北部でどのような交通体系を構築すべきか。議論はこれから本格化します。

こうしたなか、住民から多く上がるのは利便性の向上を求める声です。現在の運行方式は住民にとって通勤・通学に大きな負担を強いられているのが現実です。青森西高校の2年生、佐藤李龍(さとう・きりゅう)さんです。毎日、外ヶ浜町三厩地区から通学していますが、津軽線の利便性が悪いため学校生活にも制限があるといいます。

※三厩地区在住・青森西高校 佐藤李龍さん「(部活動は)バトミントンに興味があったり、野球も続けたかったけど交通の便が(悪くて)できない」

佐藤さんが三厩の自宅を出るのは午前5時20分ごろ。まず町営バスに乗って、三厩駅へ向かいます。いまはここで津軽線の代行バスに乗り換えていました。

まだ朝早いため寝ていることが多いという車内。蟹田駅に着くと、今度は津軽線に乗るなどして高校へ到着するのは午前8時20分頃になります。

通学時間は代行バスと被災前の津軽線でほぼ変わらず、進学以来、こうした生活を続けてきました。佐藤さんに大きな負担になっているのは帰宅するさいのダイヤです。学校は午後3時半過ぎに終わるため、本来ならば午後4時42分青森発の津軽線に乗るのが理想でした。

ただ、被災前・被災後、ともに蟹田で接続する列車や代行バスはありません。このため、接続する次の列車に乗るまで2時間ほど、学校で宿題などをして待っています。

そして、午後6時台の列車で蟹田駅へ着くと代行バスに乗り換えて自宅に向かいます。結局、帰宅できるのは午後8時半頃、もう、疲労困憊です。

※佐藤李龍さん「「寝る時間が短いので、学校も授業中よく眠くなります。(帰りが)遅い時間になっているので、いまの1つ前にもう1便バスを増やしてくれたらと思います」