2025年の青森県東方沖地震と2026年4月の三陸沖の地震では、車で避難する人の渋滞など様々な課題が判明しました。調査では、市営バスで通常の14倍ほどの時間を要した区間もありました。

市は車避難するさいの「う回路」を設定することなどを決めました。

2025年12月の青森県東方沖地震と2026年4月の三陸沖地震では、津波警報が発表されて多くの住民が避難しましたが、様々な課題が明確になりました。

これを受け、八戸市は検証プロジェクトチームが立ち上げて避難や交通など5つの分野であわせて22の提案をまとめ、21日に市議会へ説明しました。

八戸市 熊谷雄一 市長
「このたび検証結果・対応方針として改善策の提案があったところです。私としてはこの提案を受け、今後は提案の早期実現に向けて全力で取り組んでまいります」

焦点になったのは「避難方法」です。

八戸市は津波からの避難で原則「徒歩避難」を呼びかけていますが、車で避難する人が相次ぎ、各地で渋滞が発生しました。

4月の三陸沖地震では市営バスも遅延が著しく、江陽中学校付近の栄町からラピアまでの約480mの区間に21分かかり、通常の14倍ほどの時間を要しました。

八戸市 熊谷雄一 市長
「万が一、大津波警報だった場合は大変問題で、渋滞にまきこまれた人は津波の被害にあわれていた可能性がある」

これを受け、八戸市は車で避難することが必要な人が高台へ向かうさいの避難経路について、渋滞の可能性が高い道路を避けた「う回路」を設定するほか、一時的な駐車場所も確保するとしています。

また、三陸沖の地震では帰宅時間帯だったため車で避難する人が多く、八戸市はその理由をアンケート調査しました。

複数回答が可能で、最も多かったのは「勤務先・外出先からの帰宅」で全体の半数ほど。次に「子どもや家族の迎え・送迎」で3割以上となりました。

八戸市は、学校が子供を保護者へ引き渡すさい、渋滞に拍車をかけたと見られるとして、引き渡し時間の調整など災害発生時の対応についてルールの明確化を図る方針です。

八戸市 齋藤信哉 教育長
「あわてて保護者に引き渡しをすることなく、状況にをみながら、そのタイミングを考えていきましょうと。あわせて、いまの学校の状況を保護者に連絡用アプリを通じて詳細に情報提供をしていきましょうと、そういったことを確認しました。避難してきた方々の誘導導線をもう一回、各学校ごとに検討してくださいという話をしました」

八戸市は、検証を受けた対策の実施時期を今年度中・3年以内・4年以上までの3つの区分にわけて順次、対応するとしています。

今回の検証結果について専門家は、ある程度の道筋をたてられたとした上で、スピード感をもって対応することが大切だと指摘しています。

津波から避難するさいの交通計画の専門家、八戸工業大学 工学部の堀合紳弥 助教です。

八戸市の検証結果について、今後、スピード感をもって対応してほしいとしています。

八戸工業大学 工学部 堀合紳弥 助教
「ある程度、道筋はたてることができたのかなと思いますので、特に住民の命を守るというところは、スピード・緊急性というポイントをもって対応する必要があると思います」

堀合助教が今後の課題の1つにあげたのは、教育施設からの保護者への引き渡しです。

東日本大震災では岩手県の保育施設で、迎えに来た保護者に引き渡した園児が津波に巻き込まれて犠牲になっていて、施設側は避難についてルールを定めて訓練するなど対策を徹底しています。

八戸工業大学 工学部 堀合紳弥 助教
「東日本大震災の際にも、引き渡したあとに家族と一緒に津波に巻き込まれてしまうという残念なケースも多く発生していました。地震が発生したときの児童生徒の対応、学校側の対応、保護者の対応を、それぞれ事前に決めておく必要もある」

大規模な災害はいつ起きるかわからず、八戸市が地域の実情を踏まえた具体的な対策をいかに早く打ち出せるかが重要となります。

【写真を見る】

※リンクから画像をご確認いただけます。