東京商工リサーチは6日、青森市の(株)福一が2025年10月31日を以って運営する食品スーパー「スーパー福や」の営業を終了して、むつ市の(株)マエダに事業譲渡する予定である旨を取引先へ通知したことを発表しました。
以下、発表内容の詳細になります。
青森市の(株)福一は、1972年10月に果物販売を主体に福一福士青果(株)の商号で設立され、1978年10月には商号を(株)福一へ変更。ガソリンスタンドの経営へと事業転換したものの、その後、更に食品スーパーの経営へと転換しました。
1990年8月には、「スーパー福や大野店」を開店し、以後「スーパー福や妙見店」、また焼肉店「ぐるめーどバイキング焼肉モ~モ~」も展開。ピークとなる1992年7月期は約15億8000万円の売上高を計上していたといいます。
ただ、大手食品スーパーとの競争激化で顧客離れが進んだ為、2000年には「スーパー福や妙見店」を閉鎖。また、原材料の高騰や新型コロナウイルス感染拡大の影響などを受け、2020年5月に焼肉店の経営からも撤退していました。
以降は「スーパー福や大野店」1店舗にて営業し、破格の安さが売りの「びっくり弁当」などが好評を得ていましたが、昨今の仕入原価高騰や光熱費の上昇などで採算性は低く、金融機関からの返済条件の緩和などを以って辛うじて資金繰りが保たれている状況にありました。
また、代表者の高齢に加えて、かねてより後継者不在にあり、外部への事業承継を模索していたということです。
なお、2025年10月31日の営業終了後、(株)マエダにて店舗改装などをしたうえで、リニューアルオープンする予定とのことです。