青森県の最低賃金は、1000円を超えるのでしょうか。
青森県の賃金引き上げ幅を議論する審議会が12日に行われましたが、議論はまとまりませんでした。いまの時期に結論が出ないのは異例の事態です。
最低賃金審議会は、青森県の賃金引き上げについて12日は結論を出さないことを決めました。引き上げ幅について、労使双方の意見の隔たりが大きいためとしています。
青森県の賃金は現在953円ですが、厚生労働省の中央審議会は7月、青森県の引き上げの目安は「64円」としました。
目安通りに引き上げられれば、上げ幅は過去最大で、初めて1000円を超えることになります。
ただ、青森労働局の専門部会が中央審議会の目安を踏まえ、これまでに5回審議しても意見がまとまらず、記録が残る2008年以降、初めて6回目の部会を開催することにしました。
青森地方最低賃金審議会 石岡隆司 会長
「一定のものを上げなければいけない、その方向性は動かしがたいところ。目安の金額が過去最大で、それに対して、どう対応するのがいいか、もう少し時間をかけて検討しないとと思っています」
青森県の新しい最低賃金は、次回8月21日の審議会で決定することを目指していて、その後、順調に進むと早ければ10月18日から適用されます。
青森県でも最低賃金の1000円超えが議論されているなか、雇用する側は「経営的には厳しい」とした上で「先を見るしかない」と推移を見守っています。
青森市にあるラーメン店「麺山 駒込本店」では、15人がアルバイトやパートとして働いています。賃金の引き上げが議論されるなか、アルバイトの大学生は…。
アルバイトとして働く大学3年生
「お金をもらって働いている身なので、最低賃金上がるっていうのはうれしいのはもちろん。その分もっとがんばって働こうかなっていう気持ちにはなる」
この店では、4年前から時給は変わらず1000円。当時県内の最低賃金は800円台で、100円以上高くしていましたが、今回の改定で、厚生労働省の審議会が示した目安通りに最低賃金が引き上げられれば、時給を上げる必要が出てきます。
麺山 統括マネージャー 太田 真さん
「材料とか、いろいろなものの値段が上がっている中での賃上げであるととらえている。経営的には厳しいことには変わりない」
時給の値上がりがきまれば、労働時間を見直したり、人員を調整したりして、改定後は最低賃金まで引き上げ、その後は働きによって時給を上乗せする方針です。
麺山 統括マネージャー 太田 真さん
「削るとこは削るし、抑えるところは抑えるしというところで、あまり大きな変化は気持ち的にはない。先を見るしかないので」
最低賃金の引き上げの議論は、労使双方が推移を見守っています。