大雪の影響で建物の倒壊が相次ぎ、青森県内ではこの冬400件近い被害が確認されています。こうしたなか、県重宝に指定されている青森市浪岡の「旧坪田家住宅」が雪の重みで半壊しているのが見つかりました。今シーズンは、市の職員による定期的な巡回確認のみで、屋根の雪下ろしは一度も行われていませんでした。
建物が壊れたのは青森市浪岡の「中世の館」に隣接する「旧坪田家住宅」です。
市によりますと「中世の館」の職員が24日午前8時前に、建物の右側が半壊した状態を確認しました。当時、建物の屋根には1m以上の雪が積もっていたとみられています。
倉島彩能 記者
「かやぶき屋根には大量の雪が積もっています。こちらの建物は今残っている建物の少なくとも2倍はあったと見られ、原形をとどめていません」
「旧坪田家住宅」は江戸時代末期の農家の暮らしがわかる建物として、2002年に県重宝に指定され保存されていました。
管理する市は、業者に屋根の雪下ろしを依頼していたものの手配がつかず、職員による定期的な確認のみで、今シーズンは一度も雪降ろしが行われていませんでした。
浪岡では23日、今シーズン最大の192cmを観測するなど積雪が増加していました。
こうした文化財の保護は、豪雪地帯の課題となっています。
観測史上最大の積雪となった弘前市にある「高照神社」は、弘前藩4代藩主の津軽信政をまつる国の重要文化財で、これまで300年もの間、地元の有志たちで守ってきました。
今シーズンはボランティアを募って1月、屋根の雪下ろしを行いましたが、豪雪のため2025年は複数回の雪下ろしが必要で、ボランティアを担う団体も頭を抱えています。
高照神社運営検討委員会 葛西修造 会長
(※葛の字のなかは「ヒ」になります)
「神社の雪下ろしをしていて、(今まで)こんなことはなかった。自分たちの力が及ぶ範囲を超えてしまっている。高齢化で大変なんです。だからなんとか手を貸してもらいたい」
県内では、25日午前9時時点で住宅の全壊などの建物被害が397件確認されています。