違法な金利でおよそ4億円の貸し付けをしていたとみられています。海外にいる指示役の指示に従い、違法な金利で貸し付けを繰り返していたとして、ヤミ金グループの男9人が14日に出資法違反の疑いで逮捕されました。
平良記者
「容疑者の自宅から捜査員が出てきました」
出資法違反の疑いで逮捕されたのは北谷町桑江に住む、自称建設作業員の男(28)ら9人です。警察はきょう闇金グループのメンバーの自宅などを家宅捜索し、証拠品などを押収しました。
警察によりますと県内では2021年6月ごろから、家族や職場も巻き込んで執拗に督促されていると複数の債務者から相次いで相談が寄せられ、なかには「強盗して返済しろ」などと要求された人もいたということです。
警察はヤミ金グループによる違法な貸し付けがあったとみて関係者に話をきくなど捜査をすすめ、去年8月、北中城村和仁屋にあった拠点の1つを家宅捜索しました。
家宅捜索ではノートパソコンや携帯電話、債務者リストなどが押収されましたが、捜査関係者によるとそのリストの中には、去年3月にRBCの取材に応じたヤミ金の被害を訴える女性の名前があったということです。
Aさん(去年4月の取材)
「本当に突然080のこの番号からかかってきて、ヤミ金融だなって分かってたんですけど、5万円だったら返せるかなって」
Aさんは年利換算で法定金利の20倍にもなる違法な金利で金を借り、さらに言葉巧みな業者の要求に応じ、家族の連絡先を伝えていたため、家族の職場や息子の学校まで執拗な取り立てが及んだということです。
Aさん(去年4月の取材)
「息子に何か危害があったら私死んでもいいって思ってるくらいなので。本当に母親失格です。本当に」
このような被害の実態について、警察が押収した携帯電話やノートパソコンの解析などを進めたところ、このヤミ金グループが全国で4200件、少なくても600人以上に合わせておよそ4億円を違法に貸し付けていた疑いがあることが分かったということです。
今回の事件は、SNSを介し匿名でやりとりするなど容疑者同士の結びつきが緩く、離合集散を繰り返すのが特徴的な「匿名・流動型犯罪グループ」いわゆる”トクリュウ”によるものだとみられています。
こうした形態の犯罪グループの摘発は県内では初めてで、警察は14日付けで130人態勢の合同捜査本部を立ち上げ、海外にいるとみられる指示役の行方を含め、事件の全容解明を進めていくとしています。