全日本柔道連盟は14日、強化委員会を開き、柔道14階級でパリ五輪代表内定選手が
唯一、決まっていなかった男子100㎏級にウルフ アロン(27、パーク24)が追加内定した。

パリ五輪男子100㎏級の選考会となった去年12月のグランドスラム東京では、東京五輪金メダルのウルフ アロンは7位、新井道大(19、東海大1年)は世界王者を2回戦で破ったが決勝で1本負け。シニアでの経験が浅いと代表内定を見送られた。

異例の代表選考が先延ばしとなったが4日に行われた柔道グランドスラムパリで新井は3回戦敗退。東京五輪金メダリストのウルフが復活の優勝と2人の成績に大きな差が出た。国際舞台で約2年半ぶりとなる頂点に輝いたウルフに対し、柔道男子日本代表の鈴木桂治監督は「試合内容もいい形。これ以上ない成績」とコメントした。

鈴木監督は強化委員会で「GSパリ、GSタシケント、選抜まで選考の対象として見ていた中で、結果・差が明確にあった場合に内定を審議にかけると説明していたが、GSパリでのウルフの優勝、新井の2回戦敗退をもとに、ウルフの内定という案を審議していただきたい」と推薦。異論はなくウルフの内定が決まった。

鈴木監督は「優勝したら認めていこうとしている中で金メダルをとってくれた。内容も悪いものではなく、ゴールデンスコアもなく本戦の中で決めてくれた。ポイントをとられた後の切り替えの早さがパリでいい戦いとして見られた」と話し、「連覇に挑戦できる立場になったので、目標を固く持って戦いに向かっていってほしい」とエールを送った。
  
それでも、「この1大会だけを見て完全復活という考えにならない方がいいと思う。この大会がきっかけでいい状態になってきてくれると思うので期待したい。私自身もそうですし本人も満足していないと思う」と改めて気持ちを引き締めた。これでパリ五輪柔道男女14階級の代表内定者が決まった。

【柔道パリ五輪内定者】
■男子
60㎏級 永山竜樹(27、SBC湘南美容クリニック)
66㎏級 阿部一二三(26、パーク24)
73㎏級 橋本壮市(32、パーク24)
81㎏級 永瀬貴規(30、旭化成)
90㎏級 村尾三四郎(23、ジャパンエレベーターサービスホールディングス)
100㎏級 ウルフ アロン(27、パーク24)
100㎏超級 斎藤立(21、国士舘大学)

■女子
48㎏級 角田夏実(31、SBC湘南美容クリニック)
52㎏級 阿部詩(23、パーク24)
57㎏級 船久保遥香(25、三井住友海上)
63㎏級 髙市未来(29、コマツ)
70㎏級 新添左季(27、自衛隊体育学校)
78㎏級 髙山莉加(29、三井住友海上)
78㎏超級 素根輝(23、パーク24)