山梨県峡東地域に広がる扇状地での果樹栽培が世界農業遺産に認定され、地元にとって7年越しの悲願が実りました。
世界農業遺産は、国連の食糧農業機関が伝統的な農林水産業やそれを育んだ文化や景観を認定する制度です。

甲州、笛吹、山梨の峡東3市と、県で作る推進協議会は7月19日に会見し、「扇状地に適応した果樹栽培」が世界農業遺産に認定されたと発表しました。
今回認定された評価で代表的なのは、甲州市が発祥と言われるブドウの棚栽培です。
降水量の多い日本の気候に合わせて開発された技術で、現在、全国各地に普及しています。

また、春はモモ畑で花が咲き、地域一帯が桃色に染まる景観の美しさも重要な要素の一つとなっています。

峡東地域世界農業遺産推進協議会 鈴木幹夫会長:
住民、特に農家の地域に対する誇りがさらに高まると考える。峡東地域の魅力向上に大きく寄与することが期待されている。

世界農業遺産の認定は、国内選考の落選や新型コロナによる現地調査の中断など紆余曲折があり、地域にとって7年越しの悲願が実りました。

推進協議会は、果樹とその加工品のブランド化や国の内外からの観光客の呼び込みにつなげたいと意気込んでいます。