高校自転車競技界のニューヒーロー、九州大会で初の頂点に輝くなど、今、勢いに乗る沖縄工業高校3年・謝花勇哉さんを紹介します。他の選手を圧倒する強みに加え、全国優勝に必要な課題を克服しようとストイックにトレーニングする様子を取材しました。
「おはようございま~す。」
颯爽と登場したのが沖縄工業高校自転車競技部3年、謝花勇哉。種目は男子スプリントです。

謝花勇哉選手
「スピード感。トップスピードが大体68kmになってくるので、その時のスピード感がたまらない。怖いと思ったことはない、楽しいスピード感が。」
先月行われた九州大会。1周400mの走路を2周し、そのタイムを競う男子スプリント決勝。2本先取の決勝戦はお互いが1本ずつ取り合い、迎えた勝負の3本目。ラスト1周で前に出た青の謝花が、春の全国選抜王者を破り見事優勝。自身初の九州チャンピオンに輝きました。
謝花選手
「実感がなくて、とりあえずガッツポーズをしたが、あまり実感がなくて戻ってきた時にみんなが『やったー!』という顔で見てきたので勝ったんだなという感じだった。」

元々サイクリングが好きだったという謝花。友人の誘いもあり、中学3年間打ち込んだソフトテニスを辞めて高校から自転車競技に転向。競技開始からわずか2年あまりで九州王者に上り詰めました。
北中城高校と合同で練習を行ったこの日。重点的にトレーニングを行っていたのはスタートの部分です。
謝花選手
「スタートダッシュが得意で、0キロからのスピードなら日本の高校生には負けない。」
「去年のタレント発掘という記録会のようなものがあって、その種目で日本代表の大人、ナショナルチームを合わせて全員で11名、大学生と唯一高校生で走った記録会で8位で、日本代表の人を1人タイムを超して、大学生全員のタイムも超してそれから自信がついた。」
謝花の驚異的なスタートダッシュについて、かつて実業団チームで全日本選手権にも出場した、外部コーチの渋谷さんも大絶賛。

渋谷久路コーチ
「掛け合いの時、ダッシュで一気に突き放すのは抜きん出ているので、そこは彼の一番良いところだと思う。」
高校生No.1の呼び声高いスタートダッシュ能力に、周りの選手たちも謝花選手に教えを請います。
一緒に練習を行う選手
「ゼロから100%までの速度の出る速さが凄くて、トップに乗る速さがトップスピードまでの速さがすごい。」
得意を伸ばす一方、課題克服にも余念がありません。
謝花選手
「(課題は)持久力。スタートが早くても持久力がないと臨機応変に対応できないと思うので、持久力をこれから鍛えたい。」

市街地を走るロードトレーニング。優勝した九州大会で見えた課題を克服するため、およそ50kmから60km、追い込む時には120kmも走るといいます。
謝花選手
「(九州大会は)狙っていたような戦略ではなく、どちらかと言えばたまたま戦略がはまったような感じなので、インターハイでは自分が決めた戦略で勝ちにいきたい。」
優勝してもなお、高みだけを見据える姿勢に、周りからの期待も高まります。
Qインターハイではやってくれそうな感じ?
チームメイト
「それはやってくらないと困りますね」
渋谷コーチ
「自分のダッシュ力をいかして、一つでも良い成績を取っていく、あわよくば優勝するというところまで一気にたたみかけてほしい。」

謝花選手
「もちろん狙うのは優勝で、自分の力を最大限生かして、悔いのないように走り切りたい。」
自転車競技界のニューヒーローが見据えるのは全国の頂点。最高の準備と圧倒的なレースで、文句なしの優勝を目指します。