「これまでの調査・知見を軽んじている結果」
国は内閣府の食品安全委員会が、これまでの議論を踏まえて「PFAS」の健康影響評価を1月26日に公表しました。その結果、全部で8つの項目に評価を加えています。

肝臓・脂質代謝・免疫に関しては「可能性は否定できないが、証拠不十分」
発ガン性は「証拠が限定的・不十分」
神経や生殖・発生については「知見不十分・不明」
甲状腺は「影響があるとは言えない」
一方で、遺伝毒性については「直接的な遺伝毒性はない」と否定。
ほとんどがわからないという評価なんですね。
(夏目キャスター)
日本と国際機関で健康リスクについて、温度感が違うような気がします。
(大石アンカーマン)
そうですね、その辺りがどういうことなのか。この「PFAS」問題を調査している京都大学の原田浩二准教授に伺いました。今回の評価については「これまでの調査・知見を軽んじている結果。今の目標値を見直すべきだったのでは?」と言っているんです。

今の「PFOS」と「PFOA」の目標値というのは、1リットル当たりどれだけ含まれているのかということですが、日本はこの2つを合わせて50ナノグラム。ナノグラムとうのは、10億分の1グラム。注目はこの数字です。
アメリカはどうかというと、4ナノグラム。やはりアメリカと比べて日本の目標値が甘いなというのは、これを見てもわかりますよね。これを見直すべきだったのではないかと原田さんは言っているわけなんです。
もうすぐ国は新しい都道府県別の「PFAS」の調査結果を出しますが、血液検査などは、市民団体や大学が独自でやっているだけなんです。国は国民の健康を守るのも大きな仕事だと思いますので、国独自で調査も進めてほしいと思います。