福島県福島市飯坂町にある飯坂温泉。松尾芭蕉や正岡子規など多くの偉人が愛した温泉街です。最盛期の1970年代には、年間170万人を超える観光客が飯坂の街を訪れました。

しかし、その後は年々、観光客の数が減少。2005年にはじめて100万人を切ると、震災やコロナ禍の影響で去年は、約39万3千人。最盛期と比べると4分の1以下にまで減少しました。

観光客の推移

かつては満室だった温泉街も現在は・・・

「この今の状況が続くと非常に厳しい」
こう話すのは、飯坂温泉観光協会の柳沼公貴会長です。

柳沼会長
「(かつては)365日満館でお客さんによっては布団部屋でもいいから泊めてくれとそのくらい人が溢れていた」

バブル期の前後、トレンドは会社の団体やツアーを組んでの旅行でした。飯坂温泉も毎晩賑わっていたといいます。

80年代の飯坂温泉


しかし、時代の流れとともに少人数での旅行が主流に。柳沼会長は、その変化にうまく対応できなかったことが観光客が減った一つの要因だと分析します。

柳沼会長
「飯坂温泉として変化になかなか気づけなかったそれに対する対応が後手後手に回ったのが(ターゲットが)個人のお客さんにシフトチェンジが出来なかった要因」

観光協会 柳沼会長

観光地特有の悩みもあります。それは、使われていない温泉宿、いわゆる廃屋問題です。現在、飯坂温泉には約10か所の廃屋があり、温泉街としての景観を保つためにも、解体を進めたいところですが…

約10か所ある廃屋旅館


柳沼会長
「廃屋に関しては飯坂温泉として勝手に壊せるものではなくて所有者の方の同意を得て補助金などを使い壊すという取り組み。なかなか所有者があってのものなのでうまく進んでいないというのが現状」

また温泉街には、国指定の登録有形文化財が5つあり、観光客へのPRを進めていますが、現状は厳しいようです。

埼玉の観光客
「(埼玉で飯坂温泉は)あまり知られていない埼玉は鬼怒川や伊香保とか草津とか栃木や群馬が近いのでそちらの方が(有名)という感じ」

こうした苦しい状況を打破するため、飯坂温泉は、あるキャラクターに復活の希望を託しました。