岡山で180年以上前から愛され続けている、和菓子「大手まんぢゅう」です。伝統の味を守るため、商品はその日に製造されたものだけを販売しています。

そんな中、やむを得ず廃棄される商品を活用できないかとクラウドファンディングで資金を募り、「大手まんぢゅう」を使った新たな商品の試作が行われています。

(杉澤眞優キャスター)
「岡山の銘菓、大手まんぢゅうです。こちらの店頭では、一日に多い時には数百個の廃棄が出てしまうということなんですが、その廃棄されるはずの大手まんぢゅうが生まれ変わるのが、なんとビールです」

店頭に並ばず、廃棄されるはずの大手まんぢゅうを使ったクラフトビール。現在、醸造中でその味はまだ誰も知りません。

大手饅頭伊部屋では、廃棄が出ないよう商品を製造していますが、やむを得ず処分する日も。「その商品を活用できないか」と、岡山の酒蔵・宮下酒造に声をかけ、去年夏頃から試作が行われています。

(宮下酒造マーケティング部 狩山太郎さん)
「大手まんぢゅうの糖分が、実際にビールに発酵して、アルコールや二酸化炭素になっていっていますので、いいものが順調にできていっているといった感じです」

ビールづくりでは、酵母を入れ麦汁の糖分をアルコールに変えますが、その糖分の一部を大手まんぢゅうが担います。原材料に、砂糖や小麦など、糖質を多く含む大手まんぢゅうは、ビールづくりに向いているといいます。

(宮下酒造マーケティング部 狩山太郎さん)
「少し甘みがあって、なおかつ香ばしい苦みもある、といったビールになると思います」

(大手饅頭伊部屋 大岸聡武常務)
「多くの方に喜んでもらえる新しいお土産になるような商品になったら、と思っております」

大手饅頭伊部屋では、1月末まで試作品の開発費をクラウドファンディングで募り、味の感想を集計するほか、商品の名前の提案もできるということです。店頭での販売は来年春の予定です。