「川柳界の与謝野晶子」とも称された岡山市出身の作家で、2007年に亡くなった時実新子(ときざね・しんこ)さんの功績を未来に伝えようと、作品を刻んだ石碑が建てられ、その除幕式が行われました。

1929年、現在の岡山市東区に生まれた時実新子さんは、25歳の頃から制作活動に取り組み、女性の恋心などを赤裸々に詠んだ川柳で知られています。

時実さんがあす(23日)で生誕95年を迎えるのを前に、功績を称える石碑が建てられ、地元の人や、時実さんの門下の川柳作家ら約40人が、その完成を祝いました。

(時実新子 句碑建立有志の会 岡崎秀穂会長)
「長い間の活動でやっと建った、ということで、本当にうれしく思っております。『新子先生が地元に帰ってきた』と」

石碑に刻まれているのは、地元の風景の一部である吉井川を詠んだ川柳です。

(時実新子さんの門下 茉莉亜まりさん)
「『ここを原風景にした人が中央に出て物を書き、多くの人に読まれ、親しまれた』ということをぜひ知っておいていただきたい。

そして『新子の原風景は皆さんのふるさとであるここであった』ということを誇りに思ってもらいたい」

「文学のまち」としての新たなまちおこしにも期待がかかります。