■天皇盃 第29回全国都道府県対抗男子駅伝競走大会(21日、広島・平和記念公園発着、7区間、48㎞)
中・高校生、大学生、実業団選手が地元のためにタスキを繋ぐ全国都道府県対抗男子駅伝競走大会が広島で行われ、学生のみのチームで編成された長野が大会新記録(2時間17分00秒)で3大会連続10度目の優勝を飾った。
スタート時の気温は14.6℃とやや高めで、前日の雨はあがり曇り空となった広島。1区は7㎞の高校生区間、スタートから早いペースで各チームが牽制している状態。2㎞付近で縦長の展開になると長崎の離島出身、川原琉人(18、五島南高)が先頭を引っ張る形となった。中間点を過ぎ4.3㎞付近で兵庫の折田壮太(須磨学園3年)が先頭へ。12月の高校駅伝では1区(10km)で日本人選手最高タイムタイという走りで区間賞を獲得したスピードで集団の前に出た。残り1.5㎞付近で長崎の川原がロングスパート、高校最後の都道府県駅伝で19分31秒の区間新記録でタスキリレー。
中学生区間の2区(3.0km)でトップの長崎に兵庫、埼玉、岐阜が追いつき4チームが集団となった。残り200mで兵庫がスパートで抜け出し、3区(8.5km)の坂東悠汰(27、富士通)にタスキを渡した。
大学・社会人の3区、兵庫の坂東はスピードに乗れず、埼玉、長崎に置いていかれた。好走を見せたのが大阪の葛西潤(23、旭化成)。1日のニューイヤー駅伝5区2位の走りを見せた葛西は、19年ぶりとなる区間新記録の23分22秒で7人抜き。チームを2位に押し上げた。今年の箱根駅伝で総合優勝を果たした青山学院の黒田朝日(19、青山学院大)は岡山で出場、8位でタスキを受け取ると徐々に順位をあげて5位。
さらに髪の毛を短く散髪した群馬の塩尻和也(27、富士通)、去年12月の日本選手権10000mで27分09秒80の日本記録をマーク、そのスピードを生かし15人抜きを見せた。
高校生区間の4区(5.0km)、4位の長野は永原颯磨(佐久長聖高3年)が出場。日本陸連の次世代アスリート強化育成プログラムのダイヤモンドアスリート。3000m障害の日本高校記録保持者、まさに長距離界の次世代スターがタスキを受け取ると2位まで順位を上げると、残り1㎞でトップの埼玉を捕らえ、残り800mで前に出た。永原は最後までスピードが落ちず区間新記録にはわずか1秒届かなかったが長野がトップに立った。
高校生区間の5区(8.5km)、中学生区間の6区(3.0km)も長野がトップをキープして、7区(13.0km)アンカーの駒澤大キャプテン・鈴木芽吹(22、駒澤大)へ。中学生からタスキを受け取ると鈴木はやさしく肩を叩き2位と48秒差でスタート。出雲駅伝、全日本大学駅伝と駒澤大を2冠に導いたキャプテンが、故郷・長野のタスキを受けて安定感のある走りを見せた。
5.3㎞付近では2位の千葉に1分29秒差とさらに広げた。卒業後はトヨタ自動車に入社予定の鈴木、単独走でもリズムが崩れず、残り600m付近では沿道に手を振る姿も見せた。最後は大きく手を広げてゴールテープを切った。鈴木は36分52秒で20年ぶりに区間新記録を更新。さらに長野は2時間17分00秒の大会新記録をマークし、3大会連続10度目の優勝となった。
【全国都道府県対抗男子駅伝競走大会(上位10位)】
優勝:長野 2時間17分00秒 大会新記録
2位:埼玉
3位:千葉
4位:京都
5位:兵庫
6位:岡山
7位:福岡
8位:東京
9位:茨城
10位:大阪














