■皇后盃 第42回全国都道府県対抗女子駅伝競走大会(14日、たけびしスタジアム京都発着、9区間・42.195㎞)

全国都道府県対抗女子駅伝競走大会が14日に京都で行われ、宮城のアンカー・小海遥(20、第一生命グループ)が3㎞付近でトップの兵庫に追いつくと残り5㎞付近で逆転。宮城が1995年以来、29年ぶり2度目の優勝となった。

新春の都大路を走り抜ける都道府県女子駅伝、気温は10℃で天候も快晴と絶好のコンディションとなった。1区(6㎞)には能登半島地震の被災地・石川で五島莉乃(26、資生堂)が登場。クイーンズ駅伝の1区(7㎞)では序盤で独走状態に入り、区間新記録をマークした。今回も出身地の石川で出場、被災地のため、スタジアムを抜けると一気にペースアップし先頭を引っ張った。さらにペースをあげて1㎞のタイムが3分6秒と前半から飛ばした。2㎞付近で抜け出すと中間の3㎞で区間新記録のペースを保った。石川の五島は18分49秒で区間賞。最後は笑顔でタスキリレーを行った。

2区(4㎞)で注目の岡山・ドルーリー朱瑛里(16、津山高)と兵庫・田中希実(24、New Balance)が初対決。兵庫の田中は20位、トップと59秒差でタスキリレー、スタートを切ると一気に2人抜き。最初の1㎞を3分4秒で入った。その後もスピードは落ちず、2㎞付近では2位、驚異の18人抜きをマーク。そして、2.5㎞付近でトップの石川を捉えてトップに立った。これで19抜きを達成。最後の300mでさらにスピードをあげて、12分11秒。区間新記録には4秒及ばなかったが最高の走りを見せた。

ドルーリーは27位、トップとは1分17秒差でタスキを受け取ると7人抜きで20位、高校生となり実業団選手もいる中で前を追う走りを見せ、区間5位の12分47秒。トップと55秒差の19位、8人抜きでタスキを渡した。

トップをキープする兵庫は4区(4㎞)、全日本大学女子駅伝で7連覇を達成した名城大の石松愛朱加(20)。しかし、大学生対決となった静岡の齋藤みう(21、日本体育大)に逆転を許した。それでも登り坂で再逆転トップを奪い返し、一気に差を広げた。残り1㎞でスパートをかけると2位の静岡とは7秒差をつけてトップ。

5区(4.1075㎞)2㎞手前で千葉の山﨑りさ(21、日本体育大)が兵庫を抜き先頭に立つが、3㎞手前で兵庫の池野絵莉(16、須磨学園高)が千葉に並ぶ。残り300mで兵庫がスパートをかけ、トップで6区へタスキを繋いだ。激走となった5区では千葉の山﨑が12分45秒の区間新記録、兵庫の池野も12分52秒の区間新記録。1995年に五十嵐妙子がマークした区間記録を29年ぶりに更新した。

6区(4.0875㎞)、4位の宮城は橘山莉乃(18、仙台育英高)が出場。全国高校駅伝ではアンカーを務め、ゴール前残り5mで逆転され2位に終わり、悔し涙を流した橘山。地元で出場したレースでは粘りの走り、最後で1人を抜き、区間2位の13分13秒。3位で笑顔のタスキリレーとなった。

7区(4㎞)、5位の大阪には久保凛(東大阪大敬愛1年)がエントリー、父親の兄の息子がサッカー日本代表の久保建英選手。9月の近畿高校ユース対校選手権大会では自己ベストを0.14秒更新する高1歴代2位の2分06秒05で優勝した。この駅伝は京都の太田咲雪(19、立命館大)に詰め寄られたが、なんとか5位をキープした。

9区(10㎞)、東京のアンカーには髪の毛を赤くした新谷仁美(35、積水化学)が登場。18位、トップの兵庫とは3分9秒差でタスキをもらうと最初の1㎞を3分5秒で入り、2人抜き。最後までトップを追ったが3分以上の差は縮められず。それでも6人抜きで12位でゴールした。

トップ争いは兵庫と宮城。2位でタスキを貰った宮城の小海遥(20、第一生命グループ)は3㎞付近でトップの兵庫のアンカー・太田琴菜(28、JP日本郵政G)に並んだ。中間地点で宮城の小海がスパート。去年12月の日本選手権10000mで30分57秒67と自己記録を1分以上縮めた。この駅伝でも好調の小海が2位を突き放し、残り2㎞でさらにスピードをあげた。高校駅伝で悔し涙を流した仙台育英のメンバーが大きな声をあげると最後は左手を高くあげてゴールテープを切った。

【第42回全国都道府県対抗女子駅伝競走大会 上位10位】
優勝:宮城
2位:京都
3位:広島
4位:千葉
5位:神奈川
6位:大阪
7位:兵庫
8位:福岡
9位:群馬
10位:鹿児島