岡山県と広島県を結ぶJR芸備線について、国は12日、赤字が続く一部区間のあり方を話し合う「再構築協議会」の設置を決定したと正式に発表しました。再構築協議会の設置は全国で初めてとなります。
発表によりますと、協議会の名称は「芸備線再構築協議会」です。対象の路線は芸備線で、区間は備中神代駅~備後庄原駅間となりました。また協議会は、中国運輸局、岡山県、広島県、新見市、庄原市、三次市、広島市、JR西日本、また岡山・広島県のバス協会と警察本部、学識経験者らで構成されるということです。
これまで、岡山県新見市と広島県広島市を結ぶJR芸備線の一部区間を巡っては、利用者の減少によって全ての区間で赤字が続き、路線維持が厳しくなっていました。
このためJR西日本は昨年10月3日、改正地域交通法に基づき、特に利用者が減少している備中神代駅~備後庄原駅間を対象に、沿線自治体などと「存廃」も含めて、今後のあり方を議論する「再構築協議会」を設置するよう、全国で初めて国に要請していました。
これに対して、国は沿線自治体である岡山県や広島県、新見市・庄原市に意見聴取を実施。回答期限の延長を経て、2県2市は「国が再構築協議会を設置する場合には再構築協議会に参加する」と回答していました。また広島県からは「庄原市以外の全沿線市とも芸備線の広域的な取り組みについて議論したい」と要望があり、国の意見聴取に区間外の広島市・三次市も「参加する」と回答していました。
「再構築協議会」の設置に向けて調整を行ってきた国土交通省中国運輸局は12日、正式に「芸備線再構築協議会」の設置を決定し、構成員らに通知しました。これによって、廃止を含めて今後のあり方を検討したいJR西日本と、利用促進策による存続を前提としている自治体の間で、議論が加速することとなりそうです。
国は今年3月末までを目途に、第1回の協議会を開催する方向で調整しています。