いろんなコミュニケーションの形があっていい YouTube発信で気付いた自分の形

ーー境界知能であるということが結果、自分の性格にも大きく影響してきたっていうふうには思いますか。

「そうですね。自分の本当にやりたいことではなくて、境界知能によって思わされていること、を自分の真実としてしまう、といったことはあるのかなって思いますね。コミュニケーションが取れないことで、自分は1人が好きなんだって思い込もうとしたり、本当は人との繋がりを求めてるのに、自分1人で完結できることを選びがちでした」

ーーいまは考え方が変わったのですか?

「僕自身は、YouTubeで境界知能の発信をしていく中で、人とのコミュニケーションの大切さを知りました。境界知能に関する動画を撮ってアップすると、予想以上の反響があり、コメントも集まりました。人との対話はだめでも、自分一人でしゃべるのは得意だとわかって、自分なりのコミュニケーションの仕方になったと思いました」

ーー自分も境界知能かもしれないと感じている方もいるかもしれません。なんばさんのように自分の特性に向き合うにはどうしたらいいでしょうか?

「何事もやっぱり経験をしないと、わからないことが多いと思うので、やる前から諦めない方がいいと感じています。

1人が本当に好きな人はそれでいいと思うんですけども、僕のように孤独感や空虚感がある人っていうのは、もしかしたら人間関係が足りていないかもしれません。

境界知能だから、コミュニケーションが苦手って信じ込んで、諦めないで、自分が得意な表現の仕方、コミュニケーションの取り方を見つけて、一歩行動に移してほしいなと思います」

ーー境界知能の方とコミュニケーションをとる際に、周りの人ができる支援や、配慮はあるでしょうか?

「例えば、話す際に理解が難しそうだったら、文字に起こして伝えるとか、話の途中、途中で確認してくれると、その時点でわからなかいことを『わからない』っていえるかもしれないです。

一方で、その人の配慮がないと自分でいられなくなるような”行き過ぎた配慮”は、その人に依存してしまう可能性もあります。自立していきたい、自己実現していきたい人にとっては、足かせになってしまうかもしれません。柔軟に、その人に合った対応をしてもらえるのがベストかなと思います」