工事の承認がなかったため、軟弱地盤がある大浦湾側での工事は止まっていましたが、先月、国が県に代わって承認する「代執行」に踏み切ったため1月10日から工事が再開しました。

着手された工事は埋め立て予定海域の外で北側になります。今後の作業をスムーズに進めていくために資材を海に仮置きする場所が必要で、資材置き場「海上ヤード」を建設するための工事が行われています。
直接的な埋め立て工事ではないものの、きょうは重機を使って大量の石材が投下されました。
防衛局は今後、埋め立て区域の外枠にあたる護岸を作り、海を囲い土砂を入れて埋め立てを進める計画ですが、護岸を作るために「ケーソン」と呼ばれる大きな箱状のコンクリートの塊を用いる予定です。

この海域は海底がドロドロでケーソンの重みに堪えられないため、ケーソンが沈まないように海底の強度を増すため、石を入れる作業が行われました。
今後、移設工事を進めるには県と防衛局との間で「事前協議」が必要とされています。
県は工事に反対していますが、代執行されたことから政府は事前協議に応じる構えですが、林官房長官は「きょうの工事についてはその必要がない」という認識を示しています。
林官房長官
「現在沖縄防衛局が沖縄県と協議を行っておりまして、引き続き、適切に対応していくものと承知をしておりますが、今般着手をする大浦湾側の海上ヤードの整備、これは本協議の対象外であるというふうに認識をしております」
県は協議が整っていない中、海上ヤードの整備作業が始まったことに反発を強めていますが、防衛省は今後、ヤード建設と並行して埋め立て工事も進めていく考えです。