■全日本フィギュアスケート選手権(24日、長野市・ビッグハット)

女子は坂本花織(23・シスメックス)がフリーも貫禄の滑りで、3年連続4度目の優勝を手にした。3連覇は宮原知子の4連覇(14~17年)以来、史上10人目。

非公認大会ではあるが、今季世界最高の233.12点を叩き出し、技術点・演技構成点ともにトップで他選手を圧倒した。

表彰式を終えた坂本は「今シーズンの目標が全日本と世界選手権の3連覇なので、まず一つ達成できてホッとしてる」と安堵した表情をみせたが、本番前の公式練習では涙を流すなど、重圧からの切り替えに苦しんだという。

「3連覇を達成したい気持ちと、ちゃんとやらなきゃという緊張が大きくなりすぎて公式練習では息がすぐ上がるくらい緊張しました」と明かし、気持ちのコントロールが上手くいかなかったようだ。

「(公式練習後)思うようにできないっていう気持ちで先生と言い合っちゃって。いろんな感情が混じって、慰められて泣いた」と打ち明け、「しゃべると気が楽になるので、しゃべって発散していく頃にはスッキリして切り替えられた」と本番前の状況を振り返った。

4歳から坂本を支える中野園子コーチは「午前中は全然ジャンプが決まらなくてバラバラで、精神的に安定していなかった。カオリらしくないと注意しました」と明かした。「練習終わりに罵倒してましたから(笑)。彼女からしたら“今それを言わなくてもいいじゃない”という感じで。いつもは私が注意して、彼女が反発してというルーティンですから。落ち着いていたらできるようになるというが、今回はプレッシャーが大きかったようです」と、教え子との“ドタバタ”エピソードを話した。

大会前には胃腸の悪化で苦しんだという坂本は、「体調を崩してしまうのも(中野)先生に『体調管理も勝って行くにはちゃんとやらないと』と言われてその通りだと思って。この場に立ったら言い訳も通用しないし、勝った人が勝ちなので、何としてもやらないと思った」と話し、さまざまな重圧を乗り越えての3連覇となったようだ。

最後は「メリークリスマス!」と坂本らしい笑顔をみせてくれた。