アメリカと中国の軍同士の対話が再開されました。

アメリカ国防総省は21日、制服組トップのブラウン統合参謀本部議長が中国統合参謀部の劉振立・参謀長とテレビ会談を行ったと発表しました。

ブラウン議長は、責任を持って競争を管理し、誤解を避け、対話を維持するために米中両国が協力し合う重要性について話をしたということです。具体的には、米中の間の国防政策調整協議や偶発的衝突の防止に関する対話などを再開させる重要性を指摘したとしています。

米中の軍同士の対話は去年8月、当時のアメリカのペロシ下院議長の台湾訪問に中国が反発して以来、途絶えていましたが、先月、サンフランシスコで行われた首脳会談で対話を再開させることで合意していました。

一方、中国国防省によりますと劉参謀長は「アメリカ側は現実的な協力を推進し相互理解を深めることに重点を置くべきである」と指摘するとともに、台湾問題については内政問題とした上で「いかなる外からの干渉も許さない」とけん制しました。

またフィリピンなどと領有権で争う南シナ海をめぐっては「アメリカ側は中国の領土主権と海洋権益を尊重し言動を慎むべきだ」と主張しています。