東京電力福島第一原発事故による帰還困難区域のうち、福島県双葉町と大熊町の「特定帰還居住区域」で、住宅の解体や農地の除染が20日から始まりました。

阿部正輝記者「双葉町の特定帰還居住区域内にある被災家屋です。解体にあたり、業者が中にある家具などを運び出しています」

20日から始まったのは、双葉町と大熊町の「特定帰還居住区域」にある住宅の解体や農地の除染などです。帰還困難区域のうち「特定帰還居住区域」は、2020年代に希望する住民が帰還できるように環境を整備する場所で、住宅の解体や除染が行われるのは初めてです。環境省は今後、2029年末まで6年間にわたり、所有者などからの申請に基づいて解体や除染を行います。

住宅の解体をめぐっては、浪江町で、所有者が立ち会いを希望していたにもかかわらず、所有者への通知なしに解体が進められていたことがTUFの取材で明らかになっていました。環境省は報道を受けて、これまでの対応をあらため、建物の解体については所有者が希望すれば、解体作業に立ち会うこともできるということです。

環境省福島地方環境事務所・中村祥環境再生課長「1つ1つの場所にある1人1人の関係する方の地元の思いをくんで丁寧に対応したい。迅速さと丁寧さを両立して、地元の信頼と理解をいただける形で除染と解体を進めていきたい」

環境省は今後、計画の第一段階として双葉町と大熊町あわせて住宅およそ30軒の解体と、農地などおよそ30ヘクタールの除染を来年7月中旬までに行う予定です。