「ことでん」を運行する高松琴平電気鉄道は、今年度上期の事業概況と来年3月までの収支見込みを発表しました。相次ぐ踏切トラブルで安全対策費が増加し、当分は厳しい状況が続くという見方を示しています。

「ことでん」によりますと、今年度上期の運輸収入は13億1600万円で、昨年同時期を13.8ポイント上回ったものの、新型コロナ前の2019年の9割程度にとどまりました。

また、遮断機が下りないなど相次ぐ踏切トラブルで、安全対策費が予定より8500万円ほど増加。今年度末の鉄道事業の営業利益は1億1900万円と、2019年の3分の1ほどになる見込みで、当分は厳しい状況が続くという見方を示しました。

(高松琴平電気鉄道 植田俊也社長)「来年度以降も4年間ぐらいはこれと同等、もしくはそれ以上の規模で安全投資を進めたいということで、設備投資額や修繕費は上がっていくと思います」

また初めて営業係数=100円の収入を得るために必要な費用を発表し、高松市中心部から離れた区間は、運行すればするほど赤字となることを明らかにしました。

(高松琴平電気鉄道 植田俊也社長)「こういう実情でございますけど、3線60キロは我々はあきらめませんと。もう少し維持活性化していきますので」

「ことでん」では綾川駅を有人化するなど、地域の拠点駅を利用した活性化を図り、利用を促したいとしています。