■海水温の影響か!?

なぜ、小型のカツオが少ないのか。
カツオは水温20度以上の所に漁場を形成する暖かい水を好む魚で、小型のカツオは暖かい海水の流れとともに、北上してきます。
しかし、3月までは伊豆,小笠原周辺の海水温が低かったことや、暖かい海流の黒潮が南側に
蛇行したことにより、小型のカツオの北上が遅れていました。
蛇行する黒潮

水野さんによると、冷たい海流の親潮の太平洋側沿岸への勢力が今年は強いことも、小型のカツオが少ないことに影響しているのではないかということです。
実際に、今年に入ってからの海面水温の平年差を月ごとに見ていくと、北海道付近から三陸沖周辺にかけては、平年より海面水温が低い領域があります。
三陸沖周辺に“青い”海面水温の低いところが

このように沿岸への冷たい海流の勢力が強いと沿岸に漁場を形成しにくいのです。
では、沖に出ればいいじゃないかということになりそうですが、船を動かす燃料も高騰しているため、漁師が沖に出にくいのが現状です。親潮は、この先季節変化で弱まってはいきますが、水温が高くなっても豊漁だった去年よりはカツオの漁獲量は少なくなる予想です。