新潟県田上町で車載用機器類などに使うプリント基板などの製造を主体にしてきた『新潟クオリティサプライ』が事業の継続を断念しました。12月1日に新潟地方裁判所から保全管理命令を受けており、今後は会社を譲渡するなどして事業の再生を目指すとみられています。

民間の信用調査会社・帝国データーバンクによりますと、2004年に解散した親族の経営する桑原電器製作所から電子回路基板製造部門を分離して1992年に設立された『新潟クオリティサプライ』は、自動車・産業機器・LEDなどに使用されるプリント配線基板の製造を主に手がけていました。
業界大手の日本シイエムケイを得意先とし、自社工場内の一部を同社に間借りをさせるなどして、2008年3月期には年間およそ14億5000万円の売上げを計上していました。

しかし、主力となる自動車のエンジンコントロールをはじめとする車載用の基盤製造関連は、メーカー自身の内製率の上昇や生産拠点の海外移転などにより発注状況が左右されがちな中で2021年3月期からは、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う生産工場の閉鎖などのあおりを受け、稼働率は低下していたということです。

世界的な半導体市況は長期的に見て右肩上がりといわれていますが、近年の傾向は特に最先端技術に関するプリント基板と大量生産される基盤とでは色合いは分かれており、『新潟クオリティサプライ』の今年3月期の年間売上高はおよそ4億7000万円にまで低下していました。最終的には、原材料価格やエネルギーコスト負担がかさみ多額の赤字を計上していたということです。

『新潟クオリティサプライ』では、そのほか設備投資の借入金返済負担も厳しく、自力での事業継続を早めに断念し、別途新規のスポンサーを募ったうえで事業譲渡などによる事業再生を目指すとみられています。

なお、負債は金融債務を中心に、およそ6億6000万円だということです。