アメリカの大統領補佐官などを歴任し、沖縄返還交渉に深く関わるなどしたキッシンジャー元国務長官が、現地時間の29日に亡くなりました。100歳でした。

キッシンジャー元国務長官は、1972年に当時のニクソン大統領の中国訪問を実現させ、国交正常化の道筋をつけました。

また沖縄返還交渉では1969年、日米首脳会談に向け当時のキッシンジャー大統領補佐官が作成したメモがのちに見つかり、緊急時に沖縄への核兵器の再持ち込みなどを認める秘密合意があったことが明らかになりました。

1992年、東京都で行われた沖縄返還20年を記念したシンポジウムに登壇。
戦後47年を迎えたこの年、日米の経済摩擦などが問題となる中、両国が対話の”内容”ではなく、対話の”方法”を模索し続ける当時の外交状況をこう指摘していました。

ヘンリー・キッシンジャー元国務長官
「私たちに必要なのは議題です。解決を必要とすることの一覧表です。そしてその上で初めて日本とアメリカは互いに問題にどう関係を持つかを論じなければなりません。さもなければ、これは空虚な演習に過ぎない」

外交史に大きな足跡を残したキッシンジャー元国務長官は、晩年まで世界情勢において自らの意見を発信し続け、現地時間の29日にコネティカット州の自宅で亡くなりました。100歳でした。