中山間地などの診療所へ通うアクセスが困難な地域で、高齢者などの受診機会を増やそうと、新潟県内で初めて『オンライン診療車』の試験導入が始まりました。
27日午後に長岡市の山古志地域にやってきた1台の1BOXカーは、およそ1300万円をかけて新潟県内に初めて導入された『オンライン診療車』で、血圧計や遠隔聴診器などが搭載されたその車内からは、病院の医師と車内の患者とをオンラインでつないで診察することもできます。

かつて山古志地域には3つの診療所がありましたが、今年1月には2つの診療所が医師の退職に伴って休診になり、現在は週に2回、長岡中央綜合病院の医師が山古志に来て診療を続けています。

しかし、診療所に通う人の大半が高齢者であるため、診療に来ること自体の負担が懸念されていました。
そこでオンライン診療車が患者の元へ出向くことで、高齢者の移動の負担を減らそうという狙いです。
機動性もあって多くの人を診ることもできる非常に効果的な仕組みだということで、花角英世 新潟知事と磯田達伸 長岡市市長も視察に訪れました。
【長岡市 磯田達伸市長】
「ここで“治療”までは想定していないが」
【新潟県 花角英世知事】
「これでも十分便利になる…」
【長岡市 磯田達伸市長】
「これから雪も降ります。できるだけ患者に近い所へ行って、そこでオンライン診療ができたほうがおそらく皆さん喜ぶのではないか」

実際にオンライン診療車を利用した地元住民からも歓迎の声が聴かれました。
「高齢化して、自動車運転免許証を返納してる人もだいぶ居るので、そういった人からしたら便利になったんじゃないか」
「ここへ来てもらった方が便利だと思う。ここだったら何とか歩いてこられる」

このオンライン診療車の対象は、今のところ症状が安定している高血圧や糖尿病などの慢性疾患の患者に限られていますが、これから毎月1回の稼働を予定しているということです。