拉致問題を「自分ごと」として考えてほしいと訴えました。

中学生のときに北朝鮮に拉致された、横田めぐみさんの弟・拓也さんが岡山市中区の中学校を訪れ、講演を行いました。

(横田拓也さん)
「(めぐみさんは)ずっと何時間も部屋の中から『お父さんお母さん助けて』『ドアを開けて』と泣き叫んでいた。港に着いた時には指先が血で染まっていたと元工作員の方から聞いた」

13歳の時に北朝鮮に拉致された横田めぐみさん。46年が経った今も帰国が果たせていません。

きょう(24日)岡山市の操南中学校で、人権学習の一環として横田めぐみさんの弟の拓也さんによる講演が行われ、日常が失われる恐ろしさ、家族の苦しみなどが語られました。

(横田拓也さん)
「夕方、学校から帰ってもめぐみちゃんがいない。夜になっても帰ってこない。翌朝起きてもめぐみちゃんがいない。父親はふだん私たちの前では弱音をはきませんでした」

「お風呂場で泣いていないと言い聞かせて、息を押し殺して、涙を押し殺して背中で泣いていました。苦しくて仕方ありませんでした」

横田さんは、この出来事を身近なこととして考え、声をあげてほしいと訴えました。

(横田拓也さん)
「みなさんが肌で感じて、ご家族、いろんなところで伝えてほしい。それは大きな力です」

「自分たちの問題なんです。誰かの話じゃなくて私たち1人1人に課せられた、試された問題なんだということをいつも意識して、この問題に引き続き向き合ってほしい」

(講演を聴いた生徒)
「私たちの普通に過ごしている日々が、どれだけ今まで幸せなことだったのかがわかりました」

「拉致の本当の被害者の思い、横田さんが今思っていることを家族に伝えていきたい」

横田さんは今後も拉致問題の解決に向け、子どもたちに伝え続けていきたいと話しています。