中国では14億の人口の6%およそ8500万人の障害者が生活しているとされますが、社会参加が課題です。挑戦を続ける車いすの女性を取材しました。
北京で暮らす洛洛さん(37)。彼女が見た北京の街は、こんな感じ。
洛洛さん
「ここはカフェですが、入れません。こういうカフェは自分では入れません。(Q.店員は助けに来てくれますか)助けてくれますが、あんまり友好的ではないですね。面倒くさいから。一つの階段のせいで世界は二つに分かれています。世界は一つであって欲しいです」
放置してある自転車などのせいで、道を通れないことも。
2度のパラリンピックを経験した中国ですが「障害者をめぐる社会の状況は変わっていない」。洛洛さんはそう考えています。
洛洛さん
「障害者が人前に出るのは、まだ勇気がいることだと思います」
彼女は学校に通ったことがありません。読み書きは両親から教わりました。
洛洛さん
「母は私がからかわれて心が傷つくのを恐れたのでしょう。(Q.本当は学校に行きたかったんでしょう)そうです。集団生活に憧れますね」
中国の障害者の総数は8500万人。中国政府によると、9割以上が学校に通っているといいますが、実態は不明です。また、就職率は1割程度にとどまるということで、大きな課題です。
中国政府は日本に視察団を派遣。障害者の教育や社会参加について、両国で知見を共有しようという取り組みも行われています。
毎日、路上に出ている洛洛さん。自分の人生について書いた本を売っています。
洛洛さん
「本が好きな人と直接触れ合うのが、とてもうれしいのです。特に中国では、多くの障害者が外に出る勇気がないと思います。だから私は外に出て、挑戦したいんです」
いつか小さなカフェをオープンし、すべての人が隔たりなく交流する場所を作ること、それが彼女の願いです。
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