連係プレー…暗闇の中の救出劇
真っ暗な海の中。つかまれると引きずり込まれる恐れもあったと脳裏によぎるも、廣石巡査部長は腰にある装備品を置き、制服姿のまま海に飛び込んだ。
その間、岡部巡査長と菊池さんが浮力のあるものを捜した。近くにあったロープ付きの浮き輪を菊池さんが見つけ、海の中にいる廣石巡査部長に投げ渡した。しかし、おぼれていた男性は体力がなくなり、浮き輪をつかめなかった。このため廣石巡査部長が浮き輪を持ち、男性を抱える。

廣石巡査部長:
「警察官なので第一優先は人命救助だと思って飛び込んだ。機動隊出身で水難救助について知識はあったが、こういったケースはまた違ったので緊張が走った。とにかく救助中は消防が来るまで男性が沈まないように必死につかんでいた」
岡部巡査長と菊池さんが浮き輪に付いたロープを引っ張る。しかし、岸壁の高さが約5メートルあり、海にいる2人の引き上げは難航。この間、消防と海上保安部のレスキュー隊と電話でやりとりしていた菊池さんの娘2人。詳細な現場と状況を随時伝え、約10分後に到着し、男性を陸に引き上げる。男性は低体温症の疑いで搬送されたが、命に別状はなかった。