「憂さ晴らしをしたい」偶然見つけたAさんがターゲットに…

(検察の主張)
男は、自宅の最寄り駅で下車した際、同じ電車の乗客だったAさんを発見。20代に見えたことや、夜道を一人で歩いていく様子を見て「憂さ晴らしをしたい」と考えました。

また、前日の元交際相手との性交が満足いくものでなかったことから、Aさんと無理やりにでも性交したいと思い、尾行を始めます。街灯も少なくひとけもない夜道。倉庫が立ち並ぶ場所に差しかかった時、事件が起きました。

「夜道を一人で歩けなくなった。刑務所から出てきてほしくない」Aさんの切実な願い

検察は、被害を受けたAさんの供述調書も読み上げました。

岡山市内で行われた、勤務先の飲み会の帰りだったこと。言いようもない恐怖を感じたこと。倉庫裏の壁に両手をつくようにいわれ、胸や臀部を触られたり、無理やりキスをされるなどしたこと。隙を見て逃げ、下半身が裸の状態でコンビニに助けを求めたこと…。

検察は「無差別的な犯行で極めて卑劣、身勝手な動機に酌むべき点はない」と指摘。この上でAさんの思いを代読しました。

「しばらくは夜も眠れず、夜道を一人で歩くこともできなくなりました。私は悪くないのに…悔しくてたまりません。できれば刑務所から出てほしくない。少なくとも二度と私の目の前に現れてほしくない」

弁護側は、被告は服役することを受け入れているなどとして、情状酌量を求めていく方針です。

裁判ではあす(21日)被告人質問が行われます。そしてあさって(22日)論告求刑が行われ、結審する予定です。