西日本豪雨の記憶を未来に伝え、さらには未来の命を災害から救いたいという取り組みです。倉敷市真備地区の一般社団法人が「災害から命を守る一助になれば」と新たな本を出版しました。

「すごろく形式で、復興までの道のりを歩んでいただけるようになっています」

きょう(15日)出版された、「雨のち、どうする?」です。

手掛けたのは、福祉の視点で復興支援に取り組む「お互いさま・まびラボ」です。

(一般社団法人お互いさま・まびラボ 滝沢達史代表理事)
「災害があった時にどうやって行動すればいいかというのを、できれば小さいお子さん、若いママさん、それから家で一人暮らしをしている高齢者の方々とかにわかりやすく伝えられるような、そんなノウハウ本みたいなものを作りたいと思って」

この本では、災害が起きた時にどのように行動すればいいかを、あらゆる人たちが理解できるようにイラストなどを交えてわかりやすく解説しています。

例えば「逃げる」の項目では、ハザードマップを見て避難所を確認するとともに、近所のお年寄りに声をかけて一緒に避難することなどを呼びかけています。

西日本豪雨で、岡山県倉敷市の死者75人のうち64人が70代以上で、高齢者や障害者ら社会的弱者をどう救うかが課題となりました。

(出版に協力した 矢吹顕孝さん)
「障害を持っている人や、小さい子や、高齢の方やお母さんたち以外の方でも、災害を知らない若い子たちも読めるようになっているので、そういう方たちの力にもなっていけるような本になっていると思います」

また、災害の記憶を後世に伝えようと、5年の節目を迎えるまでの復興の記録や、手記なども、災害弱者の視点でわかりやすく綴られています。

(一般社団法人お互いさま・まびラボ 多田伸志副代表理事)
「読み進めるうちに、何かこう感じ取ってというか、温かいものを感じていただけるようになってくださったら、うれしいなと思います」

「雨のち、どうする?」は3000冊印刷され、倉敷市の真備地区をはじめ、各地の幼稚園や小学校、障害者福祉施設などに届けられる予定です。