輸入飼料価格は倍以上に 「続けば愛知県の酪農は終わってしまう」

(大東牧場 森 富士樹さん)
「過去で一番高い。去年がピークではあったが、いまだに持続している」

牧草はほとんど輸入に頼っていますが、3年前1トン当たり2万円台だった価格は今では5万円台後半と、倍以上に高くなりました。

(大東牧場 森 富士樹さん)
「もう1年続けば愛知県の酪農は終わってしまうのではないですかね。半年でもきついかもしれない。ギリギリだと思います」

食肉用の牛を育てる畜産農家もエサ代が高すぎて、子牛を高値で買い入れる体力がないのです。
牛乳の売れ行きは伸びず、肉も安い輸入品と競争するために値上げしにくい中、コストだけが上がり続ける現状。
愛知県の牛を扱う畜産農家は廃業が相次いでいて、この15年間でほぼ半分に減っています。

出てくるのは国の政策への苦言です。

(大東牧場 森 富士樹さん)
「(牛乳を)『絞れ、絞れ』となった後に『絞るな、絞るな』。今は絞るな状態。その繰り返しで。生き物なので簡単に止めたり出したりできるものじゃない」

以前バターが足りなくなったときには、産めよ増やせよの大号令。牛乳が余り始めると、今度は乳牛の殺処分を勧めるなど、国の政策に一貫性がないという印象が。