新潟市西区でホテルや旅館、食品スーパー向けの漬物製造などを行う『やま義』が6日に事業を停止し、事後処理を弁護士に一任したことがわかりました。今後、自己破産申請するものとみられます。

民間の信用調査会社・帝国データバンク新潟支店によりますと、『やま義』は1948年(昭和23年)に創業し、1976年(昭和53年)に法人改組した漬物製造業者で、創業当初は地元産大根を使った「たくあん」の一次加工(食品工場向けの原料としての製造)を主体としていました。その後、観光土産品やホテル・旅館、外食産業、食品スーパー向けの漬物製造に切り替え、1996年1月期には年売上高およそ7億1600万円を計上していたということです。

しかしその後は漬物需要の低迷で売上高の減少傾向が続いていたほか、2020年春以降は新型コロナウイルスの感染拡大が鮮明となり、観光土産品や業務用の受注が大きく減少。2022年1月期の年売上高は、およそ9200万円まで低下していたといいます。
ゼロゼロ融資などの利用や、新型ウイルス禍から社会経済活動が回復基調となる中で2023年1月期の年売上高は、およそ9600万円とやや改善。しかし、原材料価格やエネルギーコストの高騰などを背景に3期連続で多額の赤字を計上し、厳しい資金繰りが続く中で従業員の高齢化や人手不足、設備の老朽化への対応ができず、事業継続を断念したとみられます。
帝国データバンク新潟支店によりますと、負債はおよそ1億6000万円だということです。