■バレーボール・Vリーグ女子 JTvsデンソー(4日、パークアリーナ小牧)

Vリーグ女子のレギュラーラウンドが行われ、日本代表選手7人が所属するJTマーヴェラスが同じく日本代表・福留慧美(25)擁するデンソーエアリービーズに3-2で勝利(23-25、23-25、25-16、25-21、17-15)。JTは開幕から負けなしの5連勝で、各チーム試合数が違うものの単独首位に立った。

第1セット、JTは日本代表で活躍する林琴奈(23)を中心に威力のあるスパイクなどで得点を重ねる。対するデンソーは同じく日本代表でリベロを務める福留が華麗なレシーブで得点を演出するなど日本代表同士の激しい戦いとなる。一進一退の攻防戦を繰り広げる両チームだったが、先にセットポイントを迎えたのはデンソー。JTは全員バレーで臨むデンソーを終始崩せず、最後もこのセットだけで5得点の横田紗椰香(24)にサービスエースを決められ、23ー25で第1セットを落としてしまう。

続く第2セットはJTが序盤から得点ランキングトップのドルーズ・アンドレア(29)にボールを集める作戦が功を奏し、リードを奪う。しかし中盤以降、デンソーの麻野七奈未(20)のブロックから流れを奪われ、逆転を許してしまう。その後もブロックを強化しているというデンソーに攻撃を完全シャットアウトされたJT。流れを戻せずセットカウント0ー2と追い込まれた。

あとがなくなったJTは第3セット、ミスが目立ったデンソーの隙をついて日本代表でもあるキャプテン・田中瑞稀(27)らを中心に反撃に出る。終盤では途中出場の日本代表・和田由紀子(21)がコースをついたアタックと技ありのブロックアウトで得点を重ね、このセットを25ー16で奪い返した。

第4セットは序盤からデンソーの福留がナイスレシーブを連発し、3連続得点すると、JTも日本代表リベロの目黒優佳(27)が負けじと体を張った好レシーブを見せ、日本を代表するリベロ同士の意地がぶつかり合う。スーパープレーの連続に観客からも「おぉ~!」という感嘆の声が漏れた。そんな中、流れを引き寄せたのはJTの和田。“バコン!”という打撃音と共に放たれた強烈なジャンプサーブでエースを決め、そこからJTが3連続得点。勢いに乗りそのまま第4セットを25ー21で勝ち取り、セットカウントを2ー2とした。


最終セットは両チーム総力戦の激しい撃ち合いに。徐々に調子を上げてきた林と和田の日本代表コンビが次々に得点を重ねる。一方のデンソーも勢いに乗ったブラジル代表のモンチべレル・ ロザマリア(29)が気迫のスパイクで応戦。大接戦はJTのキャプテン・田中のスパイクで試合を締めくくった。


JTの和田は途中出場にも関わらずチーム3位の8得点、チームトップはドルーズの28得点だった。激戦を制したJTは開幕からの連勝を5に伸ばし、単独首位に浮上。デンソーにとっては強豪相手に惜しくも一歩及ばず、悔しい敗戦となった。


試合後、JTの和田は「早い段階で対策されて自分たちのやりたい攻撃ができない時に自分たちも常に次の手を持っていられるようにしなければ」と今後の課題を口にした。
林は「今日は攻撃面で相手にブロック&ディグを対応されていた。その時にスパイカーの工夫も大事になってくるため、そこを修正しながらこの粘り強さを継続して明日も頑張りたい」と明日への意気込みを語った。

デンソーの福留は「フルセットまでいって負けてしまったことは悔しい。入りやセットごとで良かった部分はあるので、明日からも活かしたい」と悔しさを滲ませながらも得たものはあったようだ。今後のデンソーにも大きな期待がかかる。

5日、JTはNECと、デンソーはトヨタ車体と対戦する。
※写真は左から和田選手、林選手