アメリカの中央銀行にあたるFRB=連邦準備制度理事会は去年、ゼロ金利を解除してから初めて、2会合連続で利上げを見送りました。
アメリカのFRBは、年5.5%を上限とする政策金利を据え置きました。物価上昇が落ち着いているためで、去年、ゼロ金利を解除してから初めてとなる、2会合連続での据え置きです。
ただ、パウエル議長は利上げの「終結」は宣言しませんでした。
FRB パウエル議長
「次回以降の会合については何も決めていません」
追加の利上げを選択肢に残したのは、アメリカ経済が予想以上に堅調なためです。景気を冷やす高い金利の中でも、アメリカのGDP=国内総生産は5期連続のプラスで、パウエル氏は強い経済が物価の高止まりにつながるリスクを指摘しました。
一方で、住宅ローン金利が8%台に迫る23年ぶりの高水準となっていることにも触れ、追加の利上げは慎重に判断する姿勢も示しています。
FRBは、経済の堅調さを保ちながら物価の上昇を抑える「経済の軟着陸」を目指していますが、歴史的にも成功例は限られています。
いつ、利上げを終結するのか、いつから利下げに転じるのか。今後のパウエル議長の判断は、これまで以上に重要な意味を持ちます。
この決定を受けて、日本市場の反応です。
きょうの東京外国為替市場で、円相場は1円以上、円高方向に進み、一時1ドル=150円10銭台まで進みました。FRBの利上げ見送りを受けて、アメリカの長期金利が低下し、日米の金利差の縮小を意識した円買い・ドル売りが優勢となっています。
また、東京株式市場でも、利上げでアメリカの景気が減速するとの懸念が和らぎ、平均株価は一時400円以上値上がりしました。
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